リモートワーク導入企業

「伝えることを、もっと簡単に」で リモートワークの未来を切り開く―株式会社スタディスト

マニュアル作成・運用を簡単にするためのクラウドサービスTeachme Bizなどで急成長中の株式会社スタディスト。その執行役員 CMOである豆田裕亮さんは、さまざまな打ち合わせや会社訪問で忙しい日々を送っています。多くの業務をこなすため「リモートワーク」もひとつの方法として積極的に取り入れている豆田さんの働き方にフォーカスしてみました。

豆田裕亮(Yusuke Mameda)/執行役員 CMO
早稲田大学大学院理工学研究科卒。株式会社インクスにて大手自動車メーカーの設計製造コンサルティングに従事し、その後、2007年に同社経営企画室。2011年3月に株式会社スタディストに参画。Teachme Bizの広報・マーケティング・カスタマーサポートを担当。東京慈恵会医科大学先端医療情報技術研究講座で研究員も務めている。

スタディスト:http://studist.jp/
Teacheme Biz:https://biz.teachme.jp/

 

マニュアルの作成時間を1/5に軽減するTeacheme Biz

―まずは株式会社スタディストについて教えてください。

豆田さん(以下敬称略):もともと創業メンバーの6人は全員、業務改善を行うコンサルティング会社で働いていました。さまざまな企業を訪問するうち、もっと業務を効率化できるのではないか?と感じるところが多々あって。その状況を改善するため、開発したのがクラウド型マニュアル作成ツールTeachme Bizです。

Teachme Bizは当初、月に2件ほどの受注しかなかったのですが、徐々に増えていって2016年3月には北海道からシンガポールまで850社に導入していただいています。

―Teachme Bizについて詳しく教えてください。

豆田:Teachme Bizはマニュアルをだれでも簡単に作成、編集、共有できるツールです。一般的にマニュアルはMicrosoftのPowerPointなどoffice系のソフトで作ることが多かったと思うのですが、パソコン慣れしていないと敷居が高いですよね。キレイに作成するのは難しいですし、運用する中で修正したいポイントがあってもだれも直さない、ということもよくあります。

それでTeachme Bizはスマートフォンやタブレットで簡単に画像・動画入りのマニュアルが作成でき、メンバー間で共有できて、だれでもすぐに内容を改修できるようにしました。基本的には「①画像を選んで、②画像を編集し、③説明を入力し、④公開するだけ」という4ステップでマニュアルが完成するので、作成時間は従来の1/5程度に軽減できます。

 

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―マニュアルはいろいろなシーンで使われているので、需要が高そうですね。

豆田:Teachme Bizは企業だけでなく、趣味のサークルや教室を運営している先生方にも好評です。たとえばカルチャースクールで踊り方や作り方を生徒に伝えたいとき、紙で作成して配るのは労力が大きいですし、不正にコピーされる恐れもあります。その点、Teachme Bizを使えば画像や動画を多用した分かりやすいマニュアルが作れますし、生徒にだけゲストアカウントを発行して見てもらえるので安心です。

 

「カタカタカタ……」で居場所を伝える

―社内の体制はどうなっているのでしょうか?

豆田:2010年の設立以来、5年ぐらいは創業メンバーの6人でまわしてきましたが、徐々に人員を増やしていって2016年4月で14人になりました。社員のほかに週2日、総務のサポートで来てくれている人もいます。

受注が順調に伸びているから、といって人をどんどん採用するつもりはありません。人を増やせば単純にうまくいく、とは限らないので、さまざまなツールやサービスを利用して業務をできる限り効率化し、それでも足りない部分に対して人材を採用する、というスタンスです。

たとえば創業メンバーは全員コンサルをやっていたので、エンジニアでも活用提案やサポートもできるのですが、だんだん開発に割ける時間が足りなくなってきてしまったので、先日ようやく営業職を採用しました。

業務の効率化をはかるため、基本いろいろなツールは使っていますね。面倒な通勤経路や旅費精算もスマホを端末にかざせばOKとか。なるべく外部のツールもガンガン使って、効率よく仕事ができるようにしようという風潮は社内にあります。

―豆田さんの担当業務は何ですか?

豆田:いま担当しているのは、ユーザーサポートとマーケティングが中心で、必要に応じて営業もやっています。家族が福岡にいますので、いまは福岡と東京を行き来するかたちで仕事をしています。東京にいなくても仕事ができる環境が次第に整ってきたので、今後は福岡での比重を大きくし九州の拠点にしていく予定です。

―facebookを拝見していると、ほとんどオフィスにいないようですが……。

豆田:移動時間がもったいないので、午前10時~11時ごろに社外での打ち合わせなどの予定を入れ、自宅から直行しています。朝、起きてから家を出るまでは自宅で作業していますし、いったん出社して打ち合わせに出かけるより効率的です。また通勤時間帯に電車に乗らなくて済むだけでも時間の余裕ができ、トータルで仕事できる時間は増えました。

―facebookではカフェなどでノートPCを広げている写真と一緒に、「カタカタカタ」というメッセージをいつも書き込んでいますね。

豆田:そうなんです。「カタカタカタ」は、自分の居場所を知らせるために投稿していて、書き込みを見た人が訪ねてきたり、近くにいるから会おうという話になったり。そうやってお客さんや知り合いに会えば事業状況を聞けるし、新しいネタを仕入れることもあるので、積極的に居場所を公開しているようなものです。

―そのような働き方は社内でOKになっているのでしょうか?

豆田:私の場合は外での仕事が多いので、時間を効率よく使うため、必然的にリモートワークになっていますが、ほかのメンバーも基本的に働き方は自由です。たとえば通勤途中で人身事故があって、出社に時間がかかるので「今日は家で仕事します」ということもよくあります。開発にあたるエンジニアは毎日、出社していますが勉強会に出たり、集中したいからカフェに行く、というのもOKです。

このようなリモートワークが可能になっているのは、メンバー同士が信頼でつながっているから。この信頼関係が、何人までなら保てるのか、というのはひとつの課題です。たとえ優秀な人材がそろっていても、リモートワークが機能しない職場ってありますよね。リモートワークが成功するかしないかは、メンバーによるのではないでしょうか。

また報酬を時間的な縛りではなく、「成果」で考えられないと無理ですね。リモートワークで半日しか働いていなくても、ものすごく成果を出しているなら誰も文句を言わないはずです。それぞれのミッションに対して時間・場所を問わず、自分の裁量で取り組めるのはリモートワークの大きな魅力だと思います。

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ツールとアウトソーシングを効果的に活用

―社員の勤怠管理やコミュニケーションはどのように行っていますか?

豆田:創業当初から使っているのが、企業内情報共有ツールの「Yammer」です。たとえば「今日休みます」といった連絡事項から、業務内容に関することまですべてYammerを中心に進行しています。

―Yammerを使うメリットはどのようなところでしょう?

豆田:メンバー全員で状況の共有をしやすい、ということです。何か審議事項があっても基本的にすべてYammerの中で議論し、方針を決めたらすぐに動き出す、というスタイルなのでスピード感がありますね。

また、顧客からの質問や問い合わせはGoogle Appsで受信し、zendeskで管理した内容をYammerにも飛ばして全員で情報共有します。お客様の声を全員がいつでも確認できるのは大きなメリットだと思います。特に開発チームは、どんなにささいな問い合わせも目にしたほうが良いので。

―顔を合わせてのミーティングなどは行っていますか?

豆田:企画や営業会議は週に1回、定例で1時間ほど行っていますが、今日はその時間帯、私は移動中で電車に乗っていたのでイヤホンを付けて聞いていました。Yammerに書き込んだ内容の漏れがないように、重要事項を再確認する場にもしています。

―業務のアウトソーシングも行われているそうですね。

豆田:書類作成など営業のサポートは三重県の企業に、メール対応やマーケティングのサポートなどは県外在住の女性にリモートで作業をお願いしています。4月から社内に事務職を置きましたが、一度アウトソーシングした作業を再び社内に戻すつもりはありません。アウトソーシングできている業務はそのままにして、社内の人間はもっと別の作業に特化できればよいと考えているからです。

リモートで作業にあたってくれている女性は子育て中なので、手が空いた時間を使って仕事をしてくれています。そのため急ぎではない案件を中心に、タスクを細切れにして依頼するんです。仕事専用のChromebookを渡しているのでセキュリティはしっかりしていますし、ログイン・ログアウトのたびに私の方に通知が来るような仕組みにしています。

また最初の1~2回の作業状況を見て単価を決め、その後、効率よく仕事が進んで時短が図られるようになっても報酬が安くならないように配慮しています。結婚・子育てでいったん現場を離れた女性には才能あふれる人が多いので、このような形で仕事を手伝ってもらえるのはありがたいです。

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「伝えることを、もっと簡単に」を進化させていく

―今後の課題はありますか?

豆田:アウトソーシング先では、Teachme Bizのマニュアルを見ながら作業してもらっていますが、マニュアル通りにいかない“変化球”的なことが起きたときの対応は難しいですね。特にカスタマーサポート業務のうち8~9割は、個々の事例に合わせて対応をアレンジしないといけません。そういった応用部分まで全部マニュアル化はできないので、“変化球”に対処できる仕組みをどのように作っていくかが課題です。

―リモートワークについてお考えをお聞かせください。

豆田:今後、労働者人口が減っていく中で、色々な状況のリソースを使って会社を運営していくことは必然になっていくでしょう。「フルタイムでないと雇えない」ではなく、可能な業務は時短やリモートでもお願いできるようにすれば会社にとっても、働く側にとってもハッピーになれるはずです。

でも、いくらリモートワークと言っても、常にwebカメラでモニターしているようだと何となく“監視”ですよね。いつもつながっている方が指示はしやすいと思いますが、ちゃんと業務が可視化され、標準化され、パターン化されていれば仕事は滞りなく進んでいくはずなんです。

―これからの仕事の展望などはありますか?

豆田:スタディストのミッションは「伝えることを、もっと簡単に」。その第一弾がTeachme Bizで、「仕事の手順を」伝えることを簡単にしました。これからも「何かを」伝えることをもっと簡単にするツールやサービスの開発に取り組んでいくつもりです。流行りのものは作りたくないので、ガツッと「B to B」向けの“堅い”ものを作っていきますよ。
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―ありがとうございました。私自身もリモートワークをするうえで、さまざまなマニュアルを利用しているのでTeachme Bizの有用性を実感しました。またマニュアルはひとつのフィールドであって、これからもっと別の「伝える」部分にもフォーカスしていくということで今後の展開も楽しみにしております。

 

この記事の著者:吉岡 名保恵(Naoe Yoshioka)

和歌山県の地方新聞で記者をしたのち、国立大学の非常勤勤務を経て夫の転勤のためリモートワークに移行。2児の子育てをしながら在宅での仕事を10年以上継続し、子どもの小学校入学を機に2014年からライター業も本格的に再開。記者出身の女性ライターユニット smart sense を立ち上げるなど活動の幅を広げている。

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