リモートワーカー紹介

【東京】リモートワークで叶える自由なワークスタイル! 独自の切り口で伝統工芸品の魅力を発信

日本の地域特産品や伝統工芸品の販売促進企画、および販売を行う「FEEL J」の代表・加藤千晶さんは、事務処理や打ち合わせだけでなく、伝統工芸品を紹介するイベントや展示販売会まで、幅広くシェアオフィスを活用。その自由なワークスタイルについて、お聞きしました。

加藤 千晶(Chiaki Kato)/FEEL J 代表
欧米のジュエリー、テーブルウェア、レザーウェアなどのラグジュアリーブランドで店舗運営、販売促進のマネージメントを経て、2013年10月にFEEL Jを設立。海外ブランドでの手法を生かし、日本の地域特産品や伝統工芸品、新しい視点で伝統工芸をとらえた商品の販売、販売促進企画を行っている。とくに漆について造詣が深く、2016年、漆・漆器の作り手と使い手を繋ぐAct.CSUを始動。

望む転職先に巡り合うのを待つより、フリーランスのリモートワーカーに

―会社員をされていた加藤さんがフリーになって、リモートワーカーに転身したキッカケは、なんだったのでしょう?

加藤さん(以下敬称略): 会社員時代は海外ラグジュアリーブランドでセールス部門の仕事をしていました。一方で、いつしか漆器などの伝統工芸品に魅了されるようになり、仕事の傍ら半分ライフワークのような感じで、産地に足を運んだり、勉強したりするようになったのです。

そんな期間を10年以上経て、社会人人生が半分ぐらいまできたとき、「残りの人生は、伝統工芸品に本腰を入れたい」と思うように。最初は希望に沿う転職先を検討したものの巡り会えず、「それならば」ということで、既存の会社に属さない道を選びました。もともとフリーランスやリモートで働くスタイルを希望していたわけではなく、たまたま選択しただけでした。

―加藤さんは、現在、銀座のシェアオフィス「LEAGUE(リーグ)」を利用されていますよね。なぜシェアオフィスを使おうと考えたのですか?

加藤:最初のきっかけは2013年の10月にFEEL Jを立ち上げ、名刺を作ろうと考えたときでした。自宅の住所を書くのに抵抗があったのです。ただ、住所を明記しないと資料や商品を郵送してもらう際に困るし、信用度も下がってしまう。そこで、住所の登記ができて、かつベースとなる仕事場を持とうと考えました。

仕事柄、食を絡めたイベントをよく開催するため、アクセスと調理環境を重視していたのですが、LEAGUEさんは銀座駅から徒歩5分程度で大きめのキッチンもあり、条件がピッタリで。銀座という土地柄、さまざまな職業の人が利用されていて、コラボもしやすく内装も好み。自宅からも近距離で、文句なしでした。

―加藤さんは、イベントなどオフラインのお仕事もされているんですね。リモートワークとしては、どのようなお仕事内容になるのでしょうか?

加藤:イベントや出張は月に数回のみで、仕事の中心は販促企画を考えたり、各種資料を作ったり、連絡や調整をしたりといった、ネット環境さえ整っていれば場所を選ばずに作業できるリモートワークです。直接会えるクライアントさんとは、ランチミーティングをすることも多いですが。

 

自分のペースで生産性が高い仕事ができるのがリモートワークの良さ

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―加藤さんが感じるリモートワークのメリットは、何ですか?

加藤:ひとつは、満員電車に乗らなくて済むこと。くだらないですが、これはけっこう大きい(笑)。あとは、ポジション柄もあったのですが、会社員時代はデスクにいると常に話しかけられて、日中まったく仕事ができなくて……。19時ぐらいになって、みんなが帰ったあとにやっと自分の仕事をするという。今は、会議は会議、集中するときは集中と、自分のペースで効率良く仕事が回せています。

―家事など生活面での影響もありましたか?

加藤:私は夫と2人暮らしなのですが、会社員のときから残業や出張が多かったので、あまり家事を任されているということはないんです。ただリモートワークになってからは、早めに帰って夕飯を作り、食べたあとに家で仕事をするスタイルが増えました。生活リズムを自由に決められることも、リモートワークのメリットかもしれませんね。

―シェアオフィスの利用で感じたメリットは、どんなことですか?

加藤:普段、接点がない方との出会いが多く、「最近どう?」なんて話をしていると、自然と新鮮な情報が入ってきます。それが販促企画を考えるときのヒントになることも。また、自宅以外にベースとなる場所を構えたい場合、格段に初期費用が抑えられます。シェアオフィスごとにさまざまな特徴があり、使い勝手のいい場所を選べるのも嬉しいですね。

―逆に、リモートワークのデメリットがあれば教えてください。

加藤:自由な分、いくらでもダラダラできてしまうことですね。リモートワークを始めたばかりの頃は、嬉しくてどんどん仕事を詰め込んで、精力的にこなしていたのですが、事務処理が溜まっていく一方だし、体も疲れてきてしまい……。

そこで、しっかりタイムマネジメントをしようと決意して、事務処理も含めて、翌日の予定を前日にすべて決めるようにしたのです。もちろん時間通りに終わらないこともありますが、そのときは一旦あきらめて、次の予定に取りかかります。この方法で、だいぶワークスタイルが改善されました。

―どんな機材やツールを使って、お仕事をされていますか?

加藤:ノートパソコンと携帯、手帳があれば、大体の仕事はできますね。最近は、Facebookのメッセンジャーでのやり取りが増えました。外にいて携帯番号がすぐにわからないときでも電話ができるので便利なんですよね。資料を作る際は、ワード・エクセル・パワーポイントが中心。ファイル保管はDropboxです。

お金のやり取りが発生するイベント時は、レジアプリのSQUAREを使っています。無料でクレジットカード決済ができるなど、機能性が高くオススメ。会計が楽々できて助かっています。

 

伝統工芸品を取り巻く環境にもどかしさを感じ、独自で魅力を発信

―そもそも、伝統工芸品の販促を仕事にしたいと思った出来事が、何かあったのですか?

加藤:伝統工芸品の販促の仕方に、すごく“もったいなさ”を感じてしまい……。高価でも価値のある物なら、売り方次第で絶対に売れるんです。たとえば、ルイ・ヴィトンなどの高級ブランドショップは、デパートの1階にあり内装にも高級感がある。店員さんもスマートな接客で、「ほしい」と思わせる売り方をしていますよね。

一方、伝統工芸品はというと、売り場はデパートの8階ぐらいで、ディスプレイも何がどこにあるかわからなかったり、場合によっては商品がホコリをかぶっていたり、店員さんの接客もあまりよくなかったり……。
それに気づいたときに「もったいない!」と思ってしまいました。

―なるほど。でも、個人でお仕事を始めた当初って、案件をいただくのは大変ですよね。

加藤:最初の1年は、仕事を取りに行くというよりも勉強しようと思い、いろんな地域を回っていたんですが、そこからご縁が生まれ、少しずつ案件をいただけるようになりました。そして、その土地のおいしいものや独自の文化にもたくさん出会い、ある考えが生まれたんです。

器などを単品で推していくよりも、その地域の風土や食文化を一緒に紹介したほうが、より伝統工芸品そのものの良さを伝えられるなと。ちょうどその頃、地方ブームが起こりはじめ、地方移住者の増加などの背景があり、「食」の仕事がやりやすかったという理由もあるのですが。

―そういった風土や食文化とあわせて企画した案件で、印象深かったお仕事を教えてください。

加藤:出雲大社から1時間ほど山奥に入った島根県の奥出雲町という町をテーマにしたイベントです。ご縁があって何度か訪れた大好きな町なのですが、キレイな水から作られる食材が最高においしく、神話のふるさとと言われるだけあって、どことなく神聖で安心感がある土地です。

島根県奥出雲町

IターンやUターンの誘致を模索している町でしたが、今まで東京で一度もイベントをしたことがなかったので、「それなら私が!」と、イベントを企画提案。奥出雲の和食屋で腕をふるう料理人に来てもらい、奥出雲牛のステーキや湯葉、特産品の仁多米を使った塩むすびと地元の日本酒とワインを並べつつ、町の人に地元の良さをプレゼンしてもらって。あっという間にお料理がなくなるほど、大盛況でした。

場所は、プロ仕様のキッチン設備を持つ泉岳寺のシェアオフィス「STOCK」を利用しました。自分が惚れ込んだ町の魅力を少しでも広められたことは、とても感慨深かったですね。

―イベントによって、シェアオフィスを変えているんですね。LEAGUEさんで行ったイベントもありますか?

加藤:LEAGUEでは、京都のファッションブランド「ひなみ」さんの展示販売会を行っています。着物の反物を使って、ワンピースなどのファッションアイテムを作っているブランドで、実は、私が今日着ているワンピースは、ひなみさんの人気商品「ころも」なんです。

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―素敵です! 言われてみれば、なんとなく着物の柄だとわかりますが、すごく自然ですね。

加藤:私もとても気に入って購入させていただきました。残念ながら、近年着物を着る人が減っていて、お蔵入りになってしまった反物があるんです。そこで、「着物地を日本のテキスタイルとみて日常的に着られるものを作ろう」と考えたことが、ひなみさんの始まりでした。その思いに共感して、お手伝いさせていただいています。年に3回行っている展示販売会は、「個性的で素敵」と毎回好評で、私自身も楽しみながら開催していますね。

―普段、どんなことに気を付けてお仕事をされているんですか?

加藤:クライアントさんと会話をするときは、何事もポジティブに考えるよう心がけています。新しい取り組みには障害が付き物で、できないことや懸念点など、ネガティブな内容を伝えなければならないときもありますが、会話の最後は必ずポジティブな言葉で締めくくろうと。今後、別のご縁があるかもしれませんし、自分もそのほうが気持ちいですしね。

―最後に、今後の展望を教えてください。

加藤:もうすぐ事業を始めて3年になるので、これを機に次のステップを目指したいなと考えています。私が扱っている伝統工芸品などを、常時見ていただけるような表現の場を作りたいです。拠点を構えれば、基本的にそこで仕事をすることにはなりますが、家や出張先でも自由に仕事ができるのは変わりません。リモートワークのメリットを生かしつつ、未来の働き方を検討していきたいですね。

自らが惚れ込んだ伝統工芸品の販促事業を見事、軌道に乗せた加藤さん。たまたま選んだワークスタイルとはいえ、リモートワークに多くのメリットを感じ、生き生きと働かれている様子が伺えました。自身の強みをビジネスに活かしながら、常に心地良くいられる。まさに「天職」と言えるのではないでしょうか。

 

この記事の著者:高良 空桜(Ao Kora)

2014年デビューのフリーライター。女性がより自由に、より豊かに生きるためのメッセージを発信すること、日本と海外をつなぐ世界の架け橋になることを使命とし、日々執筆に励む。トキメキがなによりのエナジー。

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