リモートワーク導入企業

ワーキングマザー応援! 全社員がリモートワークのユニーク企業―ポップインサイト株式会社

ポップインサイト株式会社は、16名の全メンバーがリモートで稼働しているという、ユニークな取組みを行っている企業です。

同社は、ユーザー視点からの商品作りやサービスの提供が企業の成長に不可欠であるという、社長・池田朋弘氏の原体験から発足。ユーザー視点を調査・検証・分析し、調査報告を企業に提供。企業の商品開発や改善を促すという業務を主な分野にしています。

リモートワークにおける社員の指導・育成・体制固めを行っているという、シニアリサーチマネージャーの木原将太(きはらしょうた)さんにお話をうかがいました。

HP:http://popinsight.jp/

同社ブログ記事:http://popinsight.jp/blog/?p=250

 

リモートワークへの移行のきっかけと注意点

―全社員をリモートワークにした意図は何でしょうか?

木原さん(以下敬称略):当社の業務は、インターネットで完結できる内容であることから、出社の必要がないのではと気付いたのがきっかけです。ユーザーテストを依頼する弊社のモニタさんは、全国で稼働しています。そのユーザーテストの動画などを調査・検証・分析してデータ化している弊社メンバーも、お客さまとのやり取りや納品などはすべてオンラインで完結できますので、必ずしも出社が必要ではないのです。

社長自身も子育て中ですし、育児・家庭と仕事の両立が必要な社員も多く、社内的には「メンバーのプライベート充実」という方針がベースにあったので、自然とリモートワークをする流れになりました。

―リモートワークにはスムーズに移行できたのでしょうか?

木原:最初は実験的に限定されたメンバーをリモートワークにしました。限定的ではありましたが、スムーズに稼働ができたので、「意外といける」という第一印象を持ったわけです。

もちろん入社時から突然一人で仕事を完結させるのは難しいので、最初は、教育担当の先輩社員とマンツーマンで仕事を覚え、独り立ちできるように徹底しています。基本的な業務を習得し終えるまでは単独リモートワークはしないか、割合を下げ、教育担当の先輩社員と可能な限り物理的に一緒にいるようにしています。

―全社員をリモートワークにしたことで気をつけている点などはありますか?

木原:やはりコミュニケーションですね。業務でエラーを出したときなどは、気分が落ち込み、元気がなくなってしまうものです。そんなネガティブな状況のときは、オンラインではなく音声通話で連絡をとることでフォローして、ミスを文字通り一人で抱えて考えてしまうことを避けています。

また、それこそベッドサイドでも業務ができてしまうので、体調不良のときも無理をしてしまい休むという判断をしづらいことなどもあります。有給などを含め、休みを取りやすい雰囲気を意識的に作り、一人で負担を抱えてしまうことのないように促しています。

 

リモートワークで充実したワークライフバランスを

―全社員をリモートワークにしたメリットを一番感じられている点は何でしょうか?

木原:まず何よりも「通勤がいらない」ことでしょう。弊社では、意味のない通勤は純粋な無駄と考えています。不快指数の高いラッシュ時の電車に乗らなければならず、電車の中でいたずらに時間を過ごし、時には外的要因で生じる遅刻の謝罪をするなど、時間的・精神的に大きなリソースがとられてしまいます。

もうひとつは、「どこでも仕事ができる」という当たり前の点です。これにより、住居の制限がなくなり、自由なライフスタイルで仕事をしている社員も出てきています。例えば、
・親族が体調を崩したので、実家に帰省しながら仕事
・語学力を磨くため、半分海外在住状態を保ちながら仕事
・飛び石連休でも、間の営業日は出先から業務対応をすればいいだけなので、旅行期間を延ばせる
といった、プライベートの充実、負担減を実現できていますね。身近なところでいえば、「子どもや家族と一緒にゆっくりごはんが食べられる」というところです。

―リモートワーク化したことで、経費節減などにも効果があったのではないでしょうか?

木原:そうですね。オフィスの固定費や、消耗品、社員の通勤手当などの軽減で、経費節減にもつながっています。

 

リモートワーク企業での人事評価・育成の取り組み

―人事評価や勤怠管理などについてはどう行っていますか?

木原:基本的には性善説的な視点を大事にしています。厳格な管理はモチベーションの低下を招きますし、管理のための人的資源も必要です。

ただし、前提として、「定刻に業務を開始する」「定められた時間内は自分あてのチャット、メールには可能な限り速やかに対応する」「休暇の申請は事前に行う」など常識の部分は当然ととらえています。業務の礎としての重要性が高いこういった部分を徹底できてはじめて、性善説的な視点で見ることが可能です。

評価に関しては、仕事は「案件単位」で分かれており、「1案件1担当者」で進めているため、「無事納品し、お客さまに満足いただければそれでよい」という考え方をしています。

―人事評価でほかに加味していることは何でしょうか?

木原:メールやチャットでのコミュニケーションがベースのため、ほとんどのコミュニケーションがログに残っています。「お客さまとの適切なやり取りができているか、誤解が生まれるようなデリバリーになっていないか」などの確認には労力をかけているので、各メンバーの日々の仕事ぶりを判断していることになりますね。

さらに、お客さまからの反応や、調査業務以外でプロアクティブな発案があるかなどの点からも評価を行っています。

―社員の育成に関しては、どんな施策をしているのでしょうか?

木原:具体的には、「業務修得シート」という仕組みで一人で独立してこなせる業務内容や範囲を測っています。業務修得シートはエクセルデータでまとめていて、業務内容の各段階が細分化されてリストになっています。各項目には、業務内容をステップごとに記述していて、動画も用意しています。このステップをひとつずつ修得することで、業務内容をオンラインで覚えられるようになっています。このシートにより、メンバーの能力を見定め、成長の度合いも知ることができますし、それがメンバーを育てることにもつながると考えています。

 

コミュニケーション術とリモートワーカーとしての適性

―コミュニケーションを円滑にする取組みや行事などはありますか?

木原:毎週1回、朝から夕方まで、都内の会議室にスタッフが集まる「集合ワーク」で、案件の進捗状況の確認や、フォローを含め、コミュニケーションを図っています。ランチも一緒にして、チームワークを育てるようにしていますね。会議室は毎回場所を変えていて、そこでまた新しい刺激や発想が生まれればよいとも考えています。また、月1回の「ねぎらい会」なども設けています。

―リモートワーカーとして活躍していくための資質は何だと思われますか?

木原:自己管理と仕事に対する真摯な姿勢を持つことが重要ですね。

弊社のメンバー を見ていると、“相談力”が高いのが特徴です。仕事でつまずいたり、困った場合は、何が問題かを迅速に特定して、先輩などに聞いて解決しなければならないからです。元気がない様子を見て、缶コーヒーを渡しながら、様子を聞いてくれたり、気遣ってくれる先輩は、隣の席にはいない状況ですからね。 また、一人で仕事を完結して期限通りに納品する必要があるので、何より責任感も必要です。

 

リモートワーク企業としてのメッセージ

―全社員がリモートワークであるという御社から、メッセージのようなものはありますでしょうか?

木原:女性の社会参加が当然のこととなっているいま、男女ともに家庭・子育てと仕事の両立が迫られています。就業経験のある、高いスキルを持つ女性も大勢います。そんな方々が、通勤して出社するという物理的事情の枠にとらわれることなく、働き続けてほしいと願っています。外に出て働くことがさまざまな事情で難しい状況にある人々に、スキルや能力、経験を活かせる場所を提供することはとても意義のあることだと考えています。

―ありがとうございました。木原さんご自身も、海外の各地のパートナーとの顔合わせや打ち合わせを兼ねて出張し、現地でリモートワークをすることもあるそうです。自らもリモートワークの利点を生かして働きつつ、自社の新しい働き方の発展に貢献なさっている木原さんの今後のご活動にも要注目です!

 

この記事の著者:筬島順子(Junko Osajima)

外資系・日系企業に20年近く勤務。マーケティング、広報企画、企画営業を主に、販促物やIRツールの企画・制作・制作コーディネートに携わる。現在は、自宅をベースにフリーランスとして語学関連のサービス業に従事。リモートワーカーのやりがい、醍醐味、面白さなどと同時に、悩みや不安なども共有できる記事をお届けしたいと思っております。リモートワーカーを目指す人には、参考になる情報などもたくさんご紹介していきます。どうぞよろしくお願いいたします。!

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