シェアオフィスは単なる仕事場じゃない、イノベーションやアイディアが生まれる場所

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リモートワーカーが増加するにつれ、都心を中心にシェアオフィスが発展してきています。リモートワーカーにとってはありがたい一方、支払う会費以上のメリットがあるのかと考えてしまいがち。そこで、今回はリモートワーカーではなく、場所を提供しているシェアオフィスの運営者側の視点にスポットを当てました。

銀座三丁目に位置する「LEAGUE(リーグ)」では、8名まで入居可能な固定のサービスオフィス(月額255,000円~・共益費別)、1~3名用の仕切られたパーソナルブース(月額50,800円~・共益費別)、個人利用のオープンなビジネスラウンジ(月額20,000円※2016年4月11日~の新料金)と働き方に合わせた3タイプを展開。(別途、入会時事務手数料等が必要になります)

LEAGUE でマネージャーを務める児島さん(写真右)、コーディネイターの田中さん(写真左)に、運営側の思いや、利用のメリット、デメリットなどを率直に語っていただきました。

児島 絵里子(Eriko Kojima)/マネージャー
サービスオフィス・サービスアパートメントの運営を7年務め、2013年LEAGUE開業当初より運営管理全般に携わる。語学を生かしオランダをはじめ各国企業ともグローバルに交流。宅地建物取引主任者。

田中 沙耶(Saya Tanaka)/コーディネイター
ハウスメーカー、不動産、アパレル・スタジオ事業、さらには教育業界と多業界、業種を経験。

 

コーディネイターの存在はLEAGUE ならではの価値

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―現在LEAGUE さんは、固定のレンタルオフィス、仕切られたパーソナルブース、オープンなビジネスラウンジと働き方に合わせた、いくつかのスペースを提供されていますが、独自のサービスも展開されているのでしょうか?

児島さん(以下敬称略):LEAGUE は、元々旅館だった建物をリノベーションして、3年前にオープンしました。2~9階は会員専用ですが、1階はコーヒーやマフィンなどを提供するカフェで、会員以外の方でもお使いいただけます。レンタル会議室も同じく、会員以外の方も一時利用が可能で、フレキシブルに活用していただけるのが特徴です。

また、コーディネイターが常駐しているのもLEAGUE ならではのサービスだと思います。私たちコーディネイターは、会員さん同士のビジネスマッチングやイベントのプロデュース、オフィスの受付、カフェサービスも行います。

―ビジネスマッチングは、具体的にどのように両者を引き合わせるんですか?

児島:たとえば、会員さんから「ロゴデザインができる人を探している」と相談を受けて、デザイナーの会員さんをご紹介するなど、ニーズに合わせておつなぎするのはもちろん、「この会員さんとあの会員さんをつなげたら、両者にメリットがありそうだな」とか「何かイノベーションが生まれるかも」と思ったら、自ら積極的に声をかけて、おつなぎしています。そのために、普段から会員さんと交流を図って、常に新鮮な情報を仕入れていますね。

田中さん(以下敬称略):コーディネイターの仕事はマニュアルがないんです。私はほぼ毎日ここに勤務しているので、来ていただいた会員さんには、なるべく挨拶+ひと言声かけをするようにしています。日々話しやすい関係性を作っていくと、会員さんの変化や、今何を求めているかも察知しやすいですし、向こうから相談をいただくこともあります。そうやってニーズを掴むよう努めています。

 

会員の新陳代謝により、イノベーションが生まれやすい

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―どのような職種や年代の方が、会員として利用されていますか?

児島:業種は、クリエイター、IT、コンサル、イベント企画、PR、ライター、伝統工芸品やオーガニックアイテムを扱っている方など幅広く、銀座という土地柄、30~40代の経験を積んだプロフェッショナルな方が多いです。おそらく、シェアオフィスは地域によって、利用者のカラーが異なるんじゃないかなと思います。渋谷や表参道なんかだと、クリエイターの方が多いかもしれませんね。

―会員さんの入れ替わりは、活発なんですか?

児島:シェアオフィスになっているビジネスラウンジは、月会費制なので、毎月会員さんの入れ替わりがあります。人の流れが増えることで、よりマッチングも活発になり、新たなイノベーションが生まれやすくなるんです。そういった意味で、新陳代謝が盛んな状態はいいことだと思っています。

―最近は、シェアオフィスでイベントが開催されることも多いと思います。LEAGUE さんでは、何か行われていますか?

児島:交流会は定期的に開催しています。会員限定のものもあれば、一般の方が参加していただけるものもあり、内容も食や伝統工芸、ビジネススキルなど多種多様。先日2月18日がここの3周年だったので、アニバーサリーイベントを開催しました。そのとき、会員さんのお写真とプロフィールを書いたナレッジボードを作って、交流がしやすい工夫をしたところ、みなさんお話が弾んでいましたね。

 

情報が飛び交うシェアオフィスは新たな視点も養える

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―運営側から見て、シェアオフィスの利用者にとってのメリットはどんなところでしょうか?

児島:仕事ができる作業場がほしい場合、マンションの一室を借りるよりも、各段に固定費が下げられます。来客があるときだけ会議室を借りればいいし、お茶出しが必要なときだけお茶代を払えばいいので、必要な部分にのみコストをかけられますよね。複合機や文房具、ウォーターサーバー、キッチンなど必要な設備も整っています。

田中:あとは何と言っても、予期せぬ出会いがあることです。私たちのようなコーディネイターがいれば、よりそのチャンスを増やすお手伝いができます。また空間をシェアすることで、さまざまな情報が飛び交うため、思いがけない情報に出会えたり、新たなアイディアが生まれたりというメリットもありますね。

児島:新たな発想や視点を求めている人には、シェアオフィスはとくにオススメです。企業のなかよりも、はるかに多様性がありますので。また、リモートワーカーの方は孤独を感じやすいですが、こういったシェアオフィスを利用することで、ビジネスだけじゃなくプライベートの話もできる、同僚のようなつながりを作ることもできます。

実はLEAGUE の由来は、英語で「同僚」を意味する「colleague」からきているんです。それぞれ所属が異なる人たちが、ここで机を並べて働くことで、同僚のような関係性が生まれたらいいなとの思いがあります。私たちに対しても同僚のように、気軽に話しかけていただけると嬉しいですね。

―では逆に、シェアオフィスのデメリットは、どんなところですか?

児島:空間をシェアするという特性上、秘密事項が多い業種の方ですと、オープンスペースの利用は難しいかもしれません。個室を使っていただけば、そういったデメリットを解消することはできるので、個室の施設がある場所を探すといいですね。

また、LEAGUE のビジネスラウンジは、「図書館以上カフェ以下」を目指していて、BGMがかかっていて、多少のノイズや話し声がするぐらいの空間を演出するようにしています。ですので、人の出入りや雑音が気になって集中できないタイプの方は、同じく個室を使うのがオススメです。

 

コミュニティを作るための仕組み作りの強化をしたい

―LEAGUE さんの今後の課題や展望を聞かせてください。

児島:会員さんをつないだり、コミュニティを作ったりするための仕組み作りをより強化したいと思っています。今、オランダの会社と提携して、「Seats2meet」という、どの会員さんが何時にオフィスを利用するかがWEB上で確認できるサービスを導入しているんですが、まだ発展途上です。工夫して広めることができれば、さらにビジネス上の出会いが生まれやすくなるので、これは進めていきたいですね。

LEAGUE のサービスはもちろんですが、私自身のワークスタイルも柔軟に変えていければと思っています。3年前の立ち上げ当初、コーディネイターとしてどう振る舞うべきかを模索していたとき、ある会員さんが「肩肘張らずに、児島さんらしく自然体で振る舞ってくれると嬉しい。毎日使うところだから、非日常よりも日常的な感じがいいな」と言ってくれたんです。「確かにそうだな」と納得して、それからナチュラルに会員さんに接するように変わりました。そういった周囲のアドバイスを参考にしながら、どんどんいい方向に変化を重ねていきたいです。

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今回の取材を通して、シェアオフィスがリモートワーカーにとって強い味方であると再認識しました。とくにLEAGUE のようなコーディネイターがいる場所であれば、オフィス内で毎日のようにイノベーションが生まれることでしょう。会員になる以外にも、1日だけのドロップインで使ってみる、会員以外も参加できるビジネス交流会に参加してみるなど、利用方法はさまざま。一度、訪れてみてはいかがでしょうか?


 

この記事の著者:高良 空桜(Ao Kora)

2014年デビューのフリーライター。女性がより自由に、より豊かに生きるためのメッセージを発信すること、日本と海外をつなぐ世界の架け橋になることを使命とし、日々執筆に励む。トキメキがなによりのエナジー。


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by caster-biz