リモートワークイベント

採用即リモートワークの女性が実践したリモートコミュニケーション術

2016年6月27日、東京、恵比寿の株式会社DMM.comで「リモートワークジャーニー東京2nd」が開催されました。

リモートワークジャーニーは多様な立場の参加者がこれからの働き方について一緒に考えるイベント。東京で2度目の開催となる今回は、株式会社LiBの松永佐和子さんがゲスト登壇。採用面接時に「成果を必ず出すのでリモートワークさせて欲しい」と掛け合って採用されたという松永さんのストーリーを中心にご紹介します。

聞き手はリモートワークジャーニー東京・ファシリテーターの八田亜由子さん。

*リモートワークジャーニーについては『「リモートワークがあたりまえ」の社会を目指して日本中をめぐる旅!』もあわせてご覧ください。

r_rwj2nd松永さん

松永佐和子(Saeko Matsunaga)
ラグジュアリーブランドでの販売、人材業界での営業、アパレルPRを経て、「女性が輝ける社会を作りたい」という目標を見つけて株式会社LiB(キャリア女性のための会員制転職サービス「LiBz CAREER」などの女性向けライフキャリア支援事業を複数運営)にジョイン。
採用面接時に「3ヶ月後に家族の都合で今治に行くので、成果を必ず返すことを条件にリモートワークをさせて欲しい」と提案、約束通り目標を達成し今治へ移住。
現在は東京に戻り、自身のリモートワーク体験も踏まえたキャリアアドバイザーとして活躍中。
https://www.libinc.co.jp/member/sawako_m/

八田亜由子(Ayuko Hatta)
株式会社LASSICにてIT×地方創生を探求する中で、個人の「自分らしさ」を大切にした生き方と持続的な社会を両立するための手段として、「リモートチーム」に関心を持ち、リモートワークジャーニーに参加。地方創生や新規ビジネス創発にかかわるイベントを各地で開催。
http://www.lassic.co.jp/

 

「どうしてもこの会社で働きたい」という思いで交渉

r_rwj2nd松永さんトーク

八田さん(以下敬称略):リモートワークジャーニーをあちこちで開催するなかで「自分の会社でパイオニア(先駆者)になる」というテーマを掲げる方が多くいらっしゃいました。それで、松永さんのお話をうかがったときに「この話をみんなに聞かせたい!」と思ったんです。

採用面接時に「成果を必ず出すのでリモートワークさせて欲しい」と掛け合って採用されたというのはかなりレアケースなのではないでしょうか。採用面接で交渉する根性もすごいですが、受け入れる会社もすごいですね。

松永さん(以下敬称略):どうしてもこの会社で働きたい。必ず結果を出すからと交渉して、その場で内定をもらって、そこから私のチャレンジが始まりました

八田:リモートワークジャーニーで話し合うなかで「リモートワークに大切なのは会社と社員の信頼関係」という事実が見えてきました。リモート社員が多くいる会社ではなく、まだリモートワークの仕組みも整っていない会社で、しかも新入社員という立場で、どういう風に信頼関係を構築していったのですか?

松永:出発前に信頼関係を得る、理解してもらうには、まずは結果を出すこと。「リモートワークをさせるに値する人間だ」と思ってもらうことが大事だと私自身は思っていました。

さらに社長が全体に向けて、リモートワークが私にとってのチャレンジではなく、会社全体のチャレンジだと何度も発信してくれたのが非常に大きいと思っています。

私個人ではなく全体のチャレンジだから、エンジニアさんがパソコンの設定をしてくれたり、同じチームのメンバーも、どういう風にしたら働きやすくうまくいくか考えてくれました。

八田:リモートワークを始めてからもコミュニケーションの工夫をしていましたか?

松永:会社で働くメンバーから見れば、正直何をやっている人かわからない人間になってしまうので、毎日『今治便り〜みかんの国から〜』という日誌を書いて全社に発信していました。『今治便り』には、今日何をやったか、明日何をするか、仕事やプライベートで私が何を考えているかを書いて発信していたんです。

それから月に1度、3日間くらいは東京に帰っていたんですね。会社に顔を出して、仕事の話はもちろんですが、ランチやディナーもできる限り社内の人と一緒に行って、他愛ない話をして、とにかく自分に協力をしてもらえるような体制を作っていきました。

八田:知ってもらうこととは逆に、松永さんが他の社員のことを知る手段はあったのですか?

松永:社内チャットツールがあったので、仕事の話はもちろん、おいしかったご飯とか日常の生活について投稿するチャンネルを使って、できる限り返信したりしていました。他の方の発信にも積極的に関わっていきました。

 

一人で抱え込まず、周りを巻き込むことも大切

r_rwj2nd松永さん対談
八田:他の社員の姿が見えないことで、不安はありませんでしたか?

松永:不安はあったのですが、チャットツールや掲示板を使うなど、そもそもコミュニケーションツールが整っていたという背景はありました。

毎朝朝礼があるので、Skype越しにみんなの顔を見て声を聞いて、それから仕事をスタートしていました。仕事中、集中したいときはSkypeを切り、寂しくなったら同僚に「Skypeつけて」とお願いすることもありました。

社長には「一人でがんばらなくていいんだよ」と常に言われていました。

「リモートワークをさせてもらっているから何でも自分でしなきゃ」と自分に対してプレッシャーをかけて、仕事を抱え込みすぎてしまって辛い時期があったのですが、そんな時に上司から「目標を達成するためなら、いろんな手段を使っていい」と言われて気がついたんです。

それからは「私一人でやるよりいろんな人を巻き込んだ方が目標を達成できる。もっともっと自分が困っていることを出そう」と思えるようになり、孤独感から脱出できました。

八田:離れていても仲間だと実感できるのは大事ですよね。

松永:今治に行く前に、全社で壮行会を開いてくれたんですが、嬉しかったのは、辞令のような形で「今治に行ってもこれからがんばって欲しい」と書いた表彰状を社長が手渡すというセレモニーをしてくれたんです。

それで、リモートワークをすることを私自身のためにがんばりたいし、後に続く人のためにも道を作りたいと思えたんです。

八田:会社のチャレンジだというトップの姿勢もポイントですね。

リモートワークジャーニー東京2ndはその後、質疑応答、グループワークショップなどが行われました。参加者それぞれの理想の働き方に思いをはせる充実した時間になりました。

本人の積極性と周囲のサポートのバランス

時間の都合で当日はお話できなかったのですが、後日、松永さんが筆者からの追加の質問にも答えてくれました

-採用即リモートワークについて、ご家族は何かおっしゃっていましたか?

松永:基本的に私がやりたいと思ったことは応援してくれる夫なので、賛成してくれました。

夫が先に今治に行き、私が東京で3ヶ月働く期間、結婚したばかりだったので別々に暮らすことに私自身は不安を感じていましたが、夫が「長い人生の中でそういう事もある、良い経験だ」と後押ししてくれました。それが即採用リモートワークに踏み切れたひとつの要因です。

-素敵ですね! 今治での仕事場はご自宅だったのですか?

松永:自宅でした。プライベートと仕事を分けたかったので、リビングダイニング、寝室などのプライベート空間とは別に、仕事部屋を作りました。

仕事部屋は、仕事がしやすい机と本棚を置いただけで、そこに入ったら仕事をする。出たら仕事終わり。という意識になるように生活感のない仕事のための場所になるようにしました。

-ありがとうございました! 自宅で仕事をしていて寂しくなったときは、壮行会の時にプレゼントされた「オフィスでかかっているBGMのCD」をかけてテンション上げていたという松永さん。自分から関係性を構築していった積極性と、会社を挙げての支援がリモートワーク成功の秘訣ではないかと思いました。

 

この記事の著者:曽田照子(Teruko Soda)

ライター。広告プロダクションでコピーライター経験後、1992年よりフリー。書籍、広告、WEB、フリーペーパー、情報誌など、多彩な媒体に執筆。得意分野は子育てと生活、女性の生き方。著書「ママが必ず知っておきたい!子どもに言ってはいけない55の言葉」メイツ出版、「『お母さんの愛情不足が原因』と言われたとき読む本」中経の文庫、「お母さんガミガミ言わないで!子どもが勉強のやる気を失う言葉66」学研パブリッシングなど。

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