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石垣島の医療現場DX——CASTER BIZ assistantで、医療現場の人手不足・人材流出に負けない体制づくり

愛島クリニック 常任理事
木村 栄延様

石垣島の医療現場DX——CASTER BIZ assistantで、医療現場の人手不足・人材流出に負けない体制づくり

愛島クリニック 常任理事
木村 栄延様

沖縄県・石垣島で皮膚科・美容皮膚科「愛島クリニック」を運営する、医療法人愛ランド。同法人は、医療を通じて、人が本来持っている『健やかな美しさ』を取り戻し、『活力』のある地域社会の創出を目指しています。

今回は、常任理事を務める木村 栄延様にお話を伺いました。

診療フロー改善と業務自動化で、医療現場を効率化したい

—まずは、CASTER BIZ assistant導入の背景から教えてください。

私がクリニックの運営に関わり始めたのは4年ほど前です。

当時は紙カルテを使ったアナログ管理をしており、患者様の診察から診療記録の作成までを院長が一人で対応していました。そのため、診療に時間を要してしまい、医師への業務負荷が大きいだけでなく、患者様をお待たせしてしまう状態にありました。

その診療フローを改善するため、まずはクラウド型電子カルテやGsuiteなどを導入し、スタッフに一人一台iPadを配布することで、全員が同時にカルテを閲覧編集できる仕組みづくりをしました。

そこに加えて、タイムカードは「ジョブカン勤怠管理」に、会計は「マネーフォワード クラウド会計」にと、バックオフィス業務をクラウド環境に移行し、それぞれをAPI連携させることで、業務全体をデジタル化していきました。

しかしながら、クラウド環境に移行させただけでは全体の業務改善になっているわけではありません。経費精算や給与計算などはルーティン業務がどうしても発生するので、そこには人の手が必要です。

医療事務もバックオフィスもマルチに対応できる方を採用したかったのですが、ただでさえ医療の人手が不足しているなかで、地方の離島でスキルも欲しいとなれば、採用実現性は低いのが正直なところです。

そんな時に、マルチな業務をアウトソーシングできないだろうかと探して出会ったのがCASTER BIZ assistantでした。

リモートアシスタントサービスはいくつかありましたが、人材の質にはこだわりたいと思ってましたので、「採用倍率『1/100』の優秀なアシスタント」が在籍していて、1700社以上のサポート実績があるCASTER BIZ assistantに決めました。

自分の本来の役割は業務をこなすことではなく、組織成長に貢献すること

—導入してから約1年半、CASTER BIZ assistantにはどのような業務を依頼していますか?

ルーティン業務としては、Googleドライブにアップした帳票を確認しながらのマネーフォワードへの仕訳登録、ジョブカン勤怠管理における打刻・残業エラーのチェックおよび仮シフトの作成、ファイル名のリネーム作業、毎月の診療カレンダー制作を依頼しています。

スポット業務としては、他院の自費料金などを調査していただくリサーチ業務、院内に掲示する自費診療メニューのポスター制作、 WordPressで制作されたホームページの更新作業などを、必要に応じて依頼させてもらっています。

中でもポスター制作は、頻度高くお願いしています。

以前は私がツールを使って作成していましたが、デザイン作業は未経験だったために、時間も手間もかかっていました。それをプロの方にお願いできるのは非常に助かっています。

—業務をアウトソーシングすることで変化はありましたか?

一番の大きな変化は、心的な変化だと思っています。

バックオフィス業務は今年の3月まで私1人で対応していたのですが、CASTER BIZ assistantを導入して間もない頃は「このぐらいの内容なら自分でやった方が早い」という考えから、業務依頼するのが手間に思ってしまうこともありました。

しかしながら、ずっと自分で業務対応しているようでは、いつまでたってもプレイングマネージャーから抜け出せないですし、他の業務に手を回すことができないので、業務改善や組織改革につながっていきません。

自分自身が本来やるべきことに注力できるよう業務をアウトソーシングすることは、組織を成長させるために必要だと考えるようになりました。

今はまだまだ理想の状態とは言えません。

現在の依頼業務時間の割合は、スポット業務の方が上回ってしまっている状況です。

ルーティンとスポットの業務割合は8:2が理想だとリモートアシスタントさんにアドバイスいただいているので、今後はもっとCASTER BIZ assistantを活用した​業務の自動化を促進していきたいと思っていま す。

一人三役の開業医から看護師までCASTER BIZ assistantは幅広く活用できる。激務の医療現場改革を

—現在、医療ヘルスケア業界は人材が不足していると聞きますが、CASTER BIZ assistantがお役に立てそうなことはありますか?

厚生労働省調査による「電子カルテシステム等の普及状況の推移」によれば、2017年時点で電子カルテの導入率は41.6%と、まだまだ半数以上の医院がアナログ体制のようです。

特に開業医の場合は、一人で「経営者・管理者・医師」という三役をこなさなければなりません。その上でアナログ体制となれば、業務は多忙を極めます。できる限り医師としての本業に集中するため、経営者・管理者の一部役割をCASTER BIZ assistantに任せることができるのではないかと思っています。

勤務医も例外ではなく、クラーク(医師事務作業補助者)を持たない医師の場合は、医師自身が文書作成などの事務作業を行います。病院に務める医師は大部分の時間をカルテを含めた文書作成に費やしていると聞きますので、ここにもCASTER BIZ assistantを活用できる部分があるのではないでしょうか。

当院長であり私の母は、以前は大学病院勤務医でしたので、どれほど業務が大変かが理解できます。通常の医療に加えて、慣れないタイピングでの文書作成や論文執筆などもあり、帰宅が深夜になることが度々ありました。CASTER BIZ assistantのようなサービスが当時あれば、仕事と家庭生活の両立ができたのかもしれないと思うことがあります。

直接は診療に関係しないけれども重要な業務を担う事務長、シフト作成なども担う看護師長の方々もCASTER BIZ assistantにサポートいただくことで、業務改善が見込めるのではないでしょうか。

—ありがとうございます。医療現場にいらっしゃる方々の多様な立場に合わせたサポートができたら非常に嬉しいです。最後に今後の展望を聞かせてください。

実は、約4年前には14名だった従業員数は、現在9名にまで減っています。その一方で、診療患者数は以前より増加傾向にあり、少ない人数でも医療を提供できる体制ができつつあります。

少人数で効率的な診療ができるようになった分、従業員へは報酬として還元し、従業員にやりがいを感じてもらえる職場環境づくりを進めています。院全体として人件費率は以前とは大きく変わっていませんが、環境を整えることで人材も集めやすくなりますし、離職率も低減できるのではないかと思っています。

今後は、より多くの業務をマニュアル化してCASTER BIZ assistantに依頼する業務領域を増やしていきたいです。そうすることで、今いるスタッフには徐々にマネジメントステージに上がってもらい、人が育つ環境やそれぞれが主体的に考えながら自走する組織にしたいと考えています。

離島には人材流出問題がつきまといますが、そうした環境が作れれば、その問題にも負けない体制や好循環が生み出せるのではないかと思うんです。

今後もCASTER BIZ assistantにご協力いただきながら、医療を通じて石垣島の『活力』ある地域社会の創出に貢献していきたいです。