公開日 2024.09.03 更新日 2024.09.10

外注の意味や委託、請負との違いを解説!業者を外注するメリット・デメリット

繁忙期など、自社だけで業務が対応できないときには、“外注”や“業務委託”を利用するのが一般的です。
しかし、それぞれにどのような特徴や違いがあるのか、わからないという方も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、外注と業務委託の違い、そして外注先を選ぶにあたり押さえておきたいポイントを解説します。
両者の違いを把握したうえで、最適な業者を選びたいとお考えの事業者様は、ぜひ最後までお読みください。

外注とは

外注とは、請負契約や派遣など、自社の業務を社外の方に依頼することを広義で捉えた言葉です。
実は外注は、法律で規定された用語ではなく、特定の契約形態を指したものでもないのです。

 

したがって、契約締結時に外注という言葉だけを使用した場合、正確な契約形態が伝わらず、発注先に誤解を招きかねません。

 

正式な契約を結ぶ際は、定義が曖昧かつ法的な意味をもたない外注という言葉は使わず、具体的に請負契約や、派遣などの言葉を用いましょう。

業務委託とは

業務委託とは、正社員のように正式な雇用契約は結ばず、外部の企業やフリーランスの方に業務を依頼することを指します。
民法上では存在しない言葉で、民法に沿った言葉に言い換えると“請負契約”や、“委任/準委任契約”といったよび方になります。
いずれも、外部に仕事を依頼する際に用いられる契約なので、業務委託は外注に含まれると考えて問題ありません。

請負契約

請負契約とは、請負人が依頼された仕事を完成させることを約束し、注文者がその仕事の成果に対して報酬を支払う契約のことを指します。
工事請負契約や制作委託契約など、できあがったものが視認できる有形のものと、警備や清掃など、成果がほとんど視認できない無形のものの2種類が存在します。

 

請負契約は仕事の完成を目的としているため、仕事が未完成であった場合は報酬を支払う必要がありません。

委任契約

委任契約は、法律に関連する業務を依頼する際に結ぶ契約のことです。
ここでいう“法律行為”を行う職種としては、税理士や弁護士が挙げられます。

 

委任契約では、業務に取りかかることが報酬を支払う条件となっており、業務を遂行できなかった場合であっても依頼者は報酬を支払う責任があります。
仮に、税理士が行った確定申告に不備があった場合でも、報酬は支払わなければならないということです。

準委任契約

準委任契約は業務委託契約の一つで、法律行為以外の仕事を委託する際に締結する契約のことです。
業務を発注する側を委任者、業務を受注する側を受任者とよびます。

 

委任契約と同様、受任者は業務の遂行が目的で、必ず成果物を納品させる、あるいは納品物の品質を担保させるといったことはできません。
たとえば、コンサルタントと準委任契約を結んだケースを考えてみましょう。
コンサルタントからコンサルティングサービスを受けて、思うような結果につながらなくても、契約期間内に業務が遂行されていれば、報酬を支払う義務が生じます。

 

また、準委任契約は委任者と受任者のあいだに雇用関係が発生しないので、受任者に対し勤務場所や稼働時間などを定めることはできません。

外注と業務委託の違い

先ほど説明した通り、そもそも外注の一つに業務委託が含まれますが、同じ外注でも派遣とは異なる部分があります。

 

外注と派遣の違いとして最たる例を挙げるとすれば、責任の所在です。
外注の場合、依頼した企業が業務の進行状況を管理し、成果物の品質を担保するケースが多い傾向にあります。
一方、業務委託は、委託先が業務や成果物を管理するため、依頼した業務に対する責任は委託先が負います。

外注費と給与の税務上の違い

外注費と給与は、いずれも業務を遂行した対価として会社から支払うものですが、税金の取り扱い方に明確な違いが存在します。

 

外注費は、一部業務や業種に関する報酬を除き源泉徴収は不要ですが、支払いには消費税がかかるため、課税仕入取引として控除できます。
一方、給与は支給時に所得税の源泉徴収義務が課せられるうえに、雇用主は社会保険への加入義務もあるため、保険料も負担するのが基本です。

 

なお、外注費と給与の税務上の違いは、契約内容や業務の実態によって判断されます。
対価が労働時間によって決められていたり、業務の遂行に関して依頼元から指揮監督されていたりする場合は、雇用と変わらない関係と見なされ、報酬は給与として扱われます。
「外注したから報酬は外注費として扱う」と、勝手に判断して処理するのは避けましょう。

業者に外注するメリット

外注と業務委託の違いが理解できたところで、ここからは業者に外注するメリットを紹介します。

 

【業者に外注するメリット】

  • コア業務に専念できる
  • 業務の効率化につながる
  • コストを削減できる

一部業務を外部に依頼することで、企業がどのようなメリットを得られるのかを解説していきます。

メリット①コア業務に専念できる

ルーティンワークや重要度の低い業務を外注すると、コア業務に集中できるようになります。
コア業務に専念できた結果、サービスのクオリティが上がり、売上の増加にもつながるでしょう。

 

また、外注先の企業は専門性の高い人材が在籍していることが多く、ルーティンワークだとしても、普段より質の高い成果物を提供してもらえる可能性があります。

 

くわえて、外注先から得たノウハウを自社でも活用することで、会社のさらなる強化も図れます。

メリット②業務の効率化につながる

データ入力やビジネス文書作成などの定型業務を外注することが、それらの業務に割いていた時間やリソースの大幅な削減、および業務の効率化につながります。
一度外注すれば、外注先が納期通りに仕事を進めてくれるので、極端なことをいえば納品までそのまま放置しても問題ありません。

 

また、納期がある業務については、依頼先が納期までに質の高い成果物を提供してくれるため、経営戦略どおりに仕事を進めやすくなるのも利点の一つです。

メリット③コストを削減できる

外注すれば、人員に関連するコストも大きく減らすことができます。

 

専門的な知識に特化した人材を複数の部署で採用する場合、当然そのぶんの人件費がかさみ企業側の負担が増加します。
しかし、外注であれば雇用する際の人件費や採用費がかかりません。

 

繁忙期など、業務が重なる時期は外注を依頼し、業務が落ち着いている期間は自社でのみ業務を遂行するというかたちをとると、外注費も上手にコントロールできます。

業者に外注するデメリット

次に、業者に外注する際のデメリットを紹介します。
業務の効率化や、採用に関するコストの削減など良いことばかりのように思える外注ですが、思わぬ落とし穴も存在します。

 

【業者に外注するデメリット】

  • 情報漏洩のリスクがある
  • 自社にノウハウが蓄積されない

2つとも重要な項目なので、きちんとご確認ください。

デメリット①情報漏洩のリスクがある

社内の業務を外部に依頼する以上、外注先の管理がずさんだと、重要な情報が漏洩してしまうリスクが高まります。
情報の徹底した管理を外注先にも求めなければならないのは、企業にとっては負担となります。

 

外注先の企業を選ぶ際は、セキュリティ対策を十分に行っているところを選びましょう。
また、契約を締結する前に、情報の管理方法を確認しておくと安心です。

デメリット②自社にノウハウが蓄積されない

仕事を外注することによって、自社にノウハウが蓄積されなくなるのもデメリットの一つです。
あらゆる業務を外注に任せてしまうと、社内でスキルやノウハウをもつ人材が育たず、依頼していた業務を社内業務へと戻したときに、仕事が回らなくなるおそれがあります。

 

業務を外注する際は、外注先と密にコミュニケーションをとりながら、先方のノウハウやスキルを共有してもらうことが大切です。

外注先に適しているのは企業?フリーランス?

自社が依頼する外注先は企業がよいのか、フリーランスがよいのか、迷われる事業者様も多いでしょう。
ここからは、企業が適している場合とフリーランスが適している場合を、それぞれ紹介します。

企業が適している場合

品質の高さを重視している場合は、フリーランスではなく企業に外注するのが適しています。
また、納期があらかじめ決められているときも、個人ではなく複数人でチームとなって業務に取りかかってくれる企業に依頼するのがおすすめです。
実績が豊富な外注先であれば、一定の品質も担保されています。

 

しかし、企業に外注する場合は、フリーランスよりも費用がかさむというデメリットがあるのも事実です。
成果物に対して高い品質を求めており、ある程度の予算を確保することができるのであれば、企業への外注を検討するとよいでしょう。

フリーランスが適している場合

急ぎ対応してもらいたい場合や外注へのコストをなるべく抑えたいときは、フリーランスがぴったりです。

 

フリーランスの方は、自分一人の判断で仕事を進めることができるため、即日にでも業務を進めてくれます。
また、個人への依頼となるため、企業に依頼するよりもコストを抑えられます。

 

さらに、直接やり取りが行えるので、進捗を確認したいときも気軽に連絡をとることが可能です。

業者への外注で失敗しないためのポイント

企業とフリーランスを比較するなかで、「業者選びは失敗したくない」と思った事業者様に向けて、業者を選ぶ際のポイントを解説します。

 

【業者への外注で失敗しないためのポイント】

  • 契約書の内容をきちんと確認する
  • 業務内容を細かく伝える
  • 人柄も考慮する
  • マニュアルを作成する

以上の4点を踏まえたうえで選ぶと、自社にぴったりの業者を見つけることができますよ。

ポイント①契約書の内容をきちんと確認する

外注した業務は、契約書の内容に沿って進められるため、その内容をきちんと確認することが大切です。

 

契約締結時の内容が曖昧だと、後々トラブルにつながることがあります。
そのため、契約書に記載している内容に不備がないか、遵守してほしい内容は欠けていないか、漏れなく確認しましょう。

 

また、責任の範囲を明確に決めておくことも重要です。
企業に依頼するのであればほとんど問題ありませんが、フリーランスの方に責任範囲が曖昧なまま依頼した場合、仕事を途中で放棄されるというケースもときには存在します。
このような問題を未然に防ぐためにも、発注者と受注者の双方で責任の範囲は明確にしておかなければなりません。

ポイント②業務内容を細かく伝える

業務を外注する際は、業務内容を細かく伝えておくことも重要です。

 

自社と外注先で業務内容の認識に齟齬があった場合、求めていたものとまったく違うものが納品されてしまうかもしれません。

 

また、業務内容が曖昧だった場合、そもそも仕事を請け負ってくれないケースも存在します。
そのため外注する際は、誰が読んでも理解できる明確な業務内容となっているか、今一度確認しておいてください。

ポイント③人柄も考慮する

企業ではなくフリーランスの方に依頼する場合、スキルはもちろん人柄も重視すると、より円滑に仕事を進めることができます。

 

企業に外注する際は、重要事項などをリーダーに伝えたあと、その内容をチーム内で共有してもらえます。
依頼者側と各メンバーが個別にコミュニケーションをとる機会は少ないため、トラブルもほとんど起こりません。
ただし、企業の場合であっても、事前のヒアリングでフロントに立つ方の人となりは確認しておきましょう。

 

一方、作業者と直接やり取りするフリーランスは、個人の人柄がダイレクトに業務の品質に関係します。
人柄が良いか判断するポイントは以下の3つです。

 

人柄をチェックする際のポイント

  • 時間や納期に対してルーズな考え方をもっていないか
  • ビジネスマナーがしっかり身についているか
  • 自社との相性が良さそうか

「スキルは十分にあるが、受け答えに不安がある」などといった問題を感じた場合は、別の方に依頼したほうが安心です。

ポイント④マニュアルを作成する

外注する際は、事前に注意点や手順をまとめたマニュアルを作成しておきましょう。
マニュアルがあれば、外注先が変わるたびに同じ説明を繰り返さずに済むうえに、質の高い成果物の完成も期待できます。

 

また、変更点があるたびにマニュアルをアップデートしておけば、外注先が古い情報を参照し、誤った手順で作業してしまう事態を防げるはずです。

 

マニュアルを用意しておけば、外注先の作業時間の短縮や、質の高い成果物の完成に一役買ってくれるでしょう。

外注を使った事例

外注とひと口にいっても、任せられる業務内容を具体的にイメージできない方もいらっしゃるかもしれません。
そこでここからは、外注が使われることの多い事例を紹介します。

システム開発

システム開発は専門的な知識・技術が必要になるため、専門分野に特化した業者に外注されることが多い業務の一つです。

 

契約の際は、納期や成果物の内容、瑕疵期間などを詳細に取り決めます。
プロジェクトが複雑で大規模な場合、外注先が進捗管理どおりに進めるのは難しく、納期の遅れや品質低下のリスクが非常に高くなります。
そのような事態に陥らないためにも、定期的なミーティングや進捗管理などを行い、外注先との連携を保ちましょう。

 

外注したからといって丸投げせず、積極的にコミュニケーションをとることが大切です。

営業支援

営業活動は自社だけで行うイメージが強いかもしれませんが、外注することもできるのです。
具体的には、顧客リストの作成やアポイントの取得、商談の実施まで幅広く対応してもらえます。

 

営業を得意としている外注企業には、営業活動に関して優れたスキルをもった人材が数多く在籍しています。
そのため、自社にはない営業ノウハウを取り入れることができるのも、利点の一つです。

 

自社と外注先の企業、お互いが情報を共有しながら営業活動を行うことで、営業ノウハウの強化と業績の向上にもつながります。

経理事務

実は、一般的な経理事務業務も外注できます。
備品購入費や営業経費などの経費精算、給与計算など、ほとんどの経理事務を依頼することが可能です。
経理事務に関連した業務のプロが自社の業務を担ってくれるため、正確かつ質の高い仕事が期待できるでしょう。

 

税制が変わるたび、経理部門の方は正しい財務諸表を作成しなければならないため、法改正の情報も頭に入れておく必要があります。
ですが、プロに外注することで、経理部門の方が税制に関する知識を学ぶ負担を軽減できます。

 

自社の財務を正確に処理するためにも、経理業務は専門知識のある方に依頼すると安心です。

バックオフィス業務

バックオフィス代行を専門としている企業では、人事や労務、一般事務などのバックオフィス業務を依頼することが可能です。

 

このようなノンコア業務を代行してもらうことで、自社の社員が売上につながるコア業務に専念できます。

 

ただし、依頼する業務のなかには専門資格が必要なケースもあります。
たとえば、官公庁へ書類提出や申請を行う場合、行政書士の資格をもっていなければなりません。
これらの業務を依頼するときは、外注先の企業に有資格者が在籍しているかを確認しましょう。

業務委託は外注の契約形態の一つ!売上を伸ばすなら外注がおすすめ

本記事では、外注と業務委託の違いや、業者の選び方を紹介しました。

 

外注は、外部の業者に仕事を依頼するという意味で使われており、業務委託は外注する際に締結する契約形態の一つとなっています。
また、業務委託には請負契約や、委任契約といった種類があり、それぞれの契約種別が異なるので、違いを理解して利用することが大切です。

 

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