【発注企業が知るべき】業務委託のデメリット5選と解消法|音信不通・インボイス対応のリスク対策

クラウドソーシングやフリーランスへの業務委託は、DX推進や人材不足の解消手段として一般的になりました。
専門スキルを一時的に確保できる点は大きなメリットですが、その裏側には、発注企業が見落としがちな「業務委託ならではのリスク」が存在します。
- 「パソコンが壊れたから遅れます」
- 「急に音信不通になった」
- 「納品物の品質が毎回違う」
——これは実際に起こりうるリスクです。企業側は、雇用と違ってコントロールが難しく管理工数が増大するという根本的な課題も潜んでいます。
加えて、インボイス制度による経理処理の複雑化も発生し、以前よりも運用負荷が高まっています。
本記事では、発注する企業側が知っておくべき業務委託の主要デメリット5つと、そのリスクを最小化する実践的な対策を解説します。
業務委託を活用する企業が知るべき5つの主なデメリット
業務の進行が不安定になる「納期遅延・品質のばらつきリスク」
クラウドソーシングを活用した個人への業務委託は、柔軟性がある一方で、不安定さも抱えています。
納期遅延・音信不通リスク
フリーランスは玉石混交であり、責任感の個人差が極めて大きい点が特徴です。
- 属人的な事情による遅延:「パソコンが壊れた」「体調不良」などの個人的事情
- 予期せぬ契約不履行:連絡が取れなくなる“音信不通”
- 発注企業のコントロール不能:作業が遅れるが、雇用契約ではないため、発注企業はコントロールできない
品質のばらつき
業務委託者は個人のスキルに依存するため、均一な品質を求める業務には向かないという課題があります。
- スキルの非均一性:毎回品質が違う
- ルール無視のリスク:マニュアルやルールを守らない
- 再発注のたびに手間:期待していた成果物に届かない
リソースが解消しない「管理工数の増加と業務の属人化」
「外注したのに、結局こちらの仕事が増える」これは業務委託で最も多い不満の一つです。
管理工数の増加
アウトソーシングしたにもかかわらず、発注側の社員の工数がかかり、「リソース不足が解消しない」という問題を引き起こします。
具体的には、以下の業務に発注側が時間を割く必要があります。
- 作業進捗の確認
- 納品物のレビュー
- 細かい指示出しの繰り返し
結果として、社内リソースが減らないどころか、むしろ管理工数によって増えるケースすらあります。
業務の属人化
業務委託者がノウハウを抱え込み、情報共有が進まない、または引継ぎ資料がないまま契約が終了すると、以下のリスクが生じます。
- 情報共有が不十分
- 引継ぎ資料が存在しない
- 契約終了と共に業務がブラックボックス化
コントロールが難しくなる「指揮命令権の限界」
業務委託契約(請負・準委任)は、雇用契約とは異なり、法的な制約が伴います。
この制約が、業務の進め方に対する発注側のコントロールを難しくする要因となります。
指揮命令ができない
業務委託契約では、発注者は受託者に対して具体的な作業方法や時間に関する指示(指揮命令)を直接行うことができません。
- 作業時間:受託者に対して、「何時から何時まで働くこと」を指示することはできません。
- 作業場所:特定の場所(例:自社オフィス)での勤務を強制することはできません。
- 使用するツール:具体的な使用ツールや業務手順の詳細について、強制力のある指示を出すことはできません。
この制約は、業務委託が成果物や業務の完了に対して報酬を支払う契約であり、労働力を提供する雇用契約とは本質的に異なるためです。
意図しない偽装請負リスク
もし業務委託契約でありながら発注側から指揮命令が強く入ると、契約形態にかかわらず「偽装請負」と見なされる可能性があります。これは企業側に労務上の責任が発生しうる重大なリスクです。具体的には、偽装請負と判断された場合、発注企業は受託者を自社の労働者として扱わなければならず、過去に遡って社会保険料の徴収や、労働基準法、労働契約法に関する発注者の責任を問われるリスクがあります。
事務処理が複雑化する「インボイス制度への対応」
2023年10月の制度開始以降、業務委託の活用はより複雑になり、経理の負担が増えています。
仕入税額控除の計算が複雑化
消費税の仕入税額控除を受けるための計算が複雑化します。
- 処理の分岐:受託者(フリーランス)が「インボイス登録事業者」(課税事業者)であるか否かによって、経理処理が変わるため、発注前に必ず確認する必要があります。
- 契約継続の制限:たとえ受託者がインボイス未登録者であっても、それを理由に契約解除をすることはできないため、企業側は受託者の登録状況に合わせた対応が求められます。
帳簿への記載事項の増加
受託託者(フリーランス)がインボイス登録事業者でない場合、発注企業側(課税事業者)の経理処理がさらに複雑になります。
1. 特例計算と控除率管理の煩雑化
- 特例計算が必要:受託者が免税事業者である場合、経過措置期間中、仕入税額控除を受けるためには特例計算が必要になります。帳簿にはその特例を適用した旨など、必要な記載事項が増えます。
- 控除率の管理:経過措置期間中は控除できる税額の割合(控除率)が段階的に変わるため 、適用される控除率の管理が煩雑になります。
2. 経理部門への負担増大
- 結果として、業務委託の件数が増えるほど、これらの複雑な処理が経理部門に負担として積み上がることになります。これは、経理部門が受託者ごとの登録状況や経過措置の期間を個別に管理する必要があるためです。
意図せず情報漏洩リスクを高める「セキュリティと環境の管理外」
個人が持つPC・自宅環境で作業を行う以上、企業側は完全に管理できません。
セキュリティポリシーの適用外
業務委託者が自前のPC・ネットワーク環境で作業を行う以上、以下は企業側は完全に管理できません。
- PCスペックやセキュリティソフト
- Wi-Fi環境
- 物理的な盗難・紛失リスク
業務委託者の使用するPCやネットワーク環境、情報管理体制が発注企業のセキュリティポリシーの管理下にないため、顧客リストや未公開の企画書といった機密情報が、受託者の私用PCや家庭内ネットワークを通じて流出するリスクがあります。
企業側の統制範囲外であり、秘密保持の徹底が困難なのが実情です。
秘密保持の徹底が困難
業務委託契約において、契約上は秘密保持義務(NDA)を結んでも、個人の環境ではその徹底が難しいのが実情です。受託者の使用する私用PCや自宅ネットワーク環境は、発注企業のセキュリティポリシーの管理下にありません。このため、機密情報が家庭内ネットワークや私用ツールを通じて流出するリスクが拭えません。
再委託禁止のブラックボックス化
「再委託禁止」と契約書で念押ししても、裏で別の個人に業務が再委託されるケースも一定数存在します。この再委託が発注企業に知らされない場合、機密情報や業務ノウハウが、契約外の第三者に流出している状態となり、業務がブラックボックス化する重大なリスクが生じます。
「デメリット」を踏まえて業務委託を成功させるための注意点
契約前に確認すべき事項とリスクヘッジの徹底
業務委託で失敗しないためには、契約前の準備が最重要です。
契約書の確認
業務委託契約は雇用契約と異なり、法的な保護が手薄になりがちです。発注企業のリスクを最小化するため、以下の項目が明記されているか必ず確認する必要があります。
- 損害賠償
- 契約不適合責任(旧瑕疵担保)
- 秘密保持
- 契約解除条件
業務範囲と納品物の明確化
業務委託は「成果物」に対して報酬を支払う契約です。そのため、曖昧な指示はトラブルの元になります。指揮命令権の範囲を超えないよう配慮しつつ、以下の点を極めて具体的に言語化することが必須です
- 成果物のイメージ
- 納期
- 作業の目的
真のリソース不足解消を目指すなら「管理工数ゼロ」のオンラインアシスタントを検討
なぜ従来の業務委託ではリソース不足が解消しづらいのか?
従来の業務委託、特にフリーランスなどの個人への依頼が真のリソース不足解消につながらないのは、以下の3つの根本課題を抱えているためです。
- 個人に依存する「属人性」
- 急な遅延・不安定さ
- 発注側に発生する「管理工数」
この3つの課題(属人性、不安定さ、管理工数)を同時に解決し、安定したリソース確保を実現できる外部リソースは多くありません。
音信不通・納期遅延なし!オンラインアシスタントサービス「CASTER BIZ assistant」
チーム制による安定性
CASTER BIZ assistantは、個人ではなくチームで業務を担当します。そのため、従来の業務委託が抱える属人的なリスクを根本から排除し、高い安定性を実現しています
- 担当者が休んでも業務が止まらない
- PC故障にもチームバックアップで対応
- 音信不通リスクがゼロに近い
管理工数をかけない仕組み
従来の業務委託で課題だった発注側の管理工数を大幅に削減します。
- 専任ディレクターが一括対応:業務の依頼内容の整理や進行管理は、キャスター側の専任ディレクターが一括で担います。
- 進捗管理が不要:発注企業が進捗管理をする必要がありません。これにより、正社員は管理業務から解放されます。
インボイス対応のクリアさ
企業対企業の契約形態であるため、インボイス制度への対応が明確で、経理部門の負担を大幅に軽減します。
- 企業対企業の契約で、インボイス・請求処理が安定
- 帳簿管理もシンプル
- 経理部門の負担が大幅に軽減
業務委託のリスクを知り、賢くリソースを確保する
業務委託は便利な反面、以下のような多くの注意点を伴います。
- 納期遅延
- 品質のばらつき
- 属人化
- 偽装請負リスク
- インボイス対応
“安いから”“簡単だから”という理由だけで業務委託を選ぶと、逆にリソース不足が悪化するケースも少なくありません。
最後に、安定したリソース確保と業務効率化を両立したい企業には、CASTER BIZ assistantのようなオンラインアシスタントサービスが有効です。
専門チームが業務を代行しつつ、進行管理・品質維持まで一括で担うため、業務委託のような属人リスクを排除しながら、正社員が本来集中すべきコア業務にリソースを戻すことができます。
「業務委託に限界を感じている」「リソース不足を抜本的に解消したい」
そんな企業様は、一度ご相談いただくことで具体的な改善策が見えてくるでしょう。

