公開日 2024.09.03 更新日 2024.09.11

ルーチンワーク効率化のポイント!各業務との親和性も紹介

「書類作成の進め方が社員間で異なる……」「経理業務をペーパーレス化できていない!」
現場に潜む“ムリ・ムダ・ムラ”を排するためにも、このような課題が散見されるのであれば、日々の業務の進め方について抜本的な見直しが必要かもしれません。

 

この記事では、毎日のルーチンワークを効率化するための方法を中心に、ルーチンワークと相性の良い業務も紹介します。
ご一読のうえ、貴社の業務改善にお役立てください。

ルーチンワークとは

ルーチンワークとは、“日常的に繰り返し行う業務”を意味する英単語であり、ビジネスの場で多く使われます。
具体的には、メール処理や備品の補充、日報作成など、日ごろの業務のうち繰り返し取り組むべきタスクが該当します。
一方で、単発の商談や、イレギュラーなプロジェクトなどはルーチンワークには含まれません。

 

日々の業務のなかには大抵の場合、ルーチンワークが隠れており、これを効率化することで現場の業務改善、ひいては自社の売り上げ拡大にも寄与できます。

ルーチンワークを効率化するためのポイント

はじめに、ルーチンワークを効率化するためのポイントを、6つ紹介します。

 

【ルーチンワークを効率化するためのポイント】

  • 作業を単純化する
  • テンプレートを作る
  • ITツールを活用する
  • ToDoリスト化する
  • ルーチンワークへの意識向上を図る
  • コア業務以外は外注する

ここでお伝えする内容を参考にしつつ、ルーチンワークのなかに非効率さが垣間見られる際の、改善の手立てとしてみてください。

ポイント①作業を単純化する

ルーチンワークを効率化するための基本的なポイントは、作業の簡素化です。

 

高い頻度で繰り返し行うルーチンワークだからこそ、タスクは誰でも遂行できるよう、シンプルな内容へと落とし込まれていることが求められます。
ルーチンワークに複雑な作業が含まれていると、処理に多くの工数がかかって、限りあるリソースをいたずらに消費してしまいます。

 

それゆえ、業務をルーチン化する際は煩雑な作業を極力排除しつつ、単純作業でルーチンワークを組み立てるのが、業務を効率化させる鍵なのです。
なお、複雑な作業は、後述するテンプレートやITツールをうまく活用することで、社員の手を煩わさずに済みます。

ポイント②テンプレートを作る

ルーチンワークの効率化に際しては、テンプレート(ひな形)の活用がおすすめです。

 

たとえば、顧客へ送信するメール内容をその都度練っていては、貴重なリソースを空費してしまいます。
“問い合わせへの返信”“お礼”“クレーム対応”などのカテゴリーごとに、文面のテンプレートがあれば、メールを作成する際の労力を最小限に抑えられるでしょう。

 

テンプレートの活用によっても、現場の社員の負荷を軽減させることができるのです。

ポイント③ITツールを活用する

膨大な業務のなかには、人の手を介さずとも処理できるタスクが隠れていることも少なくありません。
このようなタスクは、ITツールやAIに代替させてしまうのが賢明です。

 

昨今、企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれていますが、この取り組みの狙いは、業務効率化によって現場の業務負荷を取り去ることでもあるのです。
実際、DXによって現場にもたらされる恩恵は計りしれません。
たとえば、必要な情報を入力すれば自動で契約書を作成してくれるようなITツール、あるいはAIの導入は、現場で働く社員の負担を減らす、心強い味方となってくれます。

 

ルーチンワークに代表される単純作業の処理は、まさにITツールやAIの得意分野といえます。

ポイント④ToDoリスト化する

ルーチンワークに含まれる“ToDo”をリスト化するのも、一つの手です。

 

ルーチンワークの業務フローにおいてやるべきタスクが、ToDoリストとしてまとめられていれば、抜け漏れをはじめとしたミスを防ぐことが可能です。

 

また、このような業務の標準化には、属人化からの脱却を促す効果もあります。
暗黙知となっていたノウハウが明文化されることで、たとえ新しく業務にあたる新入社員であっても、いち早くルーチンワークをこなせるようになります。

 

ToDoリストの作成は、ミスの防止や業務の可視化という観点で、大きな効果を発揮するのです。

ポイント⑤ルーチンワークへの意識向上を図る

ルーチンワークに対する向き合い方について、社員へ教育を施す必要性もあります。

 

ルーチン化することの意義を理解せず、ただ惰性で作業を続けていては、業務効率は自ずと低下していくでしょう。
ルーチンワークには利点が多い反面、社員のモチベーションを低下させてしまうリスクもはらんでいるわけです。

 

業務効率化に先立ち、社員はルーチンワークの目的を理解したうえで、「作業をより効率化するためには?」というような、能動的な姿勢も養わなければなりません。

現場のルーチンワークに磨きをかけられるよう、社員の意識向上にも取り組みたいところです。

ポイント⑥コア業務以外は外注する

ここまでお伝えしたポイントを実践しつつ、“ルーチンワークの外注”という選択肢も視野に入れてみてください。

 

名刺のデータ化や、備品の発注、書類の作成といった類の、コア業務以外のタスクを専門業者に委託すれば、相当の工数を削減することができます。
これにより、社員は本来取り組むべきコア業務に注力できるようになり、現場の生産性は飛躍的に向上します。
さらに、“雑務”にも括られるこれらのタスクに、自社の貴重なリソースを割く必要がなくなるということは、すなわち人件費の削減にもつながるということです。

 

このように、コア業務以外のルーチンワークを外注すれば、現場の業務負荷の軽減のみならず、人件費の削減という副次的なメリットも享受できるようになります。

ルーチンワークのメリット

諸業務のなかにルーチンワークを組み込むことには、いくつかのメリットがあります。

 

【ルーチンワークのメリット】

  • スケジュール管理が容易になる
  • 集中して取り組める
  • 引き継ぎが容易である
  • マニュアル化が容易である

現場の健全な業務遂行のためにも、ルーチンワークのもつ効果を的確に把握しておきたいところです。

メリット①スケジュール管理が容易になる

ルーチンワークは、作業スケジュールを立てる際にもプラスにはたらきます。

 

日々、繰り返し取り組んでいるルーチンワークはその特性上、イレギュラーな対応や思わぬ問題に直面して、作業が大幅に遅滞するというリスクが低いといえます。
業務を遂行するための時間を容易に予測できるので、的確なスケジューリングに役立つのです。

メリット②集中して取り組める

集中して作業に取り組めるというのも、ルーチンワークがもつ大きなメリットです。

 

イレギュラーな業務とは異なり、習慣化しているタスクであるため工程全体を把握できるほか、周囲への確認や質問の必要もないので、黙々と作業に取り組めます。
また、反復作業が中心であることから、慣れによってよりスピーディーに業務を捌けるようになるという利点もあります。

メリット③引き継ぎが容易である

退職や休暇などで業務を引き継ぐ際も、ルーチンワークであればスムーズな引き継ぎが実現します。

 

先述したポイントに従って、ルーチンワークの内容が単純化・共有知化されていれば、細かい指示の必要はないでしょう。
引き継がれる相手も、作業の手順やToDoリストを確認するだけで全容を把握できるため、引き継ぎのハードルを大きく下げることが可能なのです。

メリット④マニュアル化が容易である

ルーチンワークは作業内容が比較的単純である傾向にあり、かつステップも明確なため、マニュアル化に向いています。
臨機応変な対応が求められる営業活動や問い合わせ対応とは異なり、ルーチンワークには特定のパターンが多く含まれているため、マニュアル化と相性が良いのです。

 

マニュアル化すれば、業務の内容やステップが社内で共有され、業務の属人化の回避につながります。

ルーチンワークのデメリット

業務をルーチンワークに組み込むことには、デメリットもあります。

 

【ルーチンワークのデメリット】

  • 社員のモチベーションが低下する
  • 非効率的な作業が紛れていても気づきにくい

メリットだけではなくデメリットも把握したうえで、ルーチンワークをうまく取り入れていきましょう。

デメリット➀社員のモチベーションが低下する

ルーチンワークに取り組むうえでは、社員のモチベーション低下に注意しなければなりません。

 

これまで述べてきたように、固定化された作業内容の繰り返しがルーチンワークの特徴です。
これは言い換えれば、変化に乏しく、作業を機械的にこなさなければならないということでもあります。
単調な作業をひたすら続けることを、味気ないと捉える社員もいるでしょう。

 

ひとたび、「自分の介在価値が見いだせない」「やりがいがない」などと感じてしまえば、仕事全体に対するモチベーションが低下しかねません。
さらに、このような状況を改善せずに放置すれば、社員の離職にもつながるため、決して看過できない由々しき問題です。

 

こういった事態を避けるためにも、全業務に占めるルーチンワークの比率は、適宜調整する必要があります。
社員のモチベーションの維持も、企業側に課せられたミッションです。

デメリット②非効率的な作業が紛れていても気づきにくい

各現場の業務に一度ルーチンワークが定着すると、見直されにくくなるという傾向もあります。
それゆえ、仮にルーチンワークのなかに不要な作業が含まれていたとしても、日々の業務に埋もれ、放置されがちです。

 

チーム全体が惰性でルーチンワークに取り組むことは禁物であり、自社のルーチンワークをよりブラッシュアップできないかどうか、模索しつづける心構えが大切です。

効率化が容易なルーチンワーク

ルーチンワークのなかには、些細な工夫で業務効率の大幅な向上が期待できるものが多くあります。

 

【ルーチンワークによって効率化できる業務】

  • 書類作成
  • ミーティング
  • 名刺の管理
  • 経費精算

続いては、ルーチンワークと親和性の高い業務を4つ紹介します。

書類作成

契約書や帳簿、日報などの書類(電子書類含む)の作成は、効率化が容易なルーチンワークの代表格です。

 

上述の業務は、いずれも定型作業の一種であり、フォーマットやITツールを駆使すれば効率化を図れます。
これらを、その都度一から作成することの非効率さは、想像に難くないでしょう。

 

フォーマットやITツールを上手に使って、効率的に書類作成を進めたいところです。

ミーティング

定例会議をはじめとした社内ミーティングも、ひと手間かけることで効率化を図れるルーチンワークの一つです。

 

司会の進め方や、各議題に割く時間、発言のルールなどをまとめてマニュアル化すれば、効率的かつ円滑に会議を進められるでしょう。
そのうえで、ツールを活用してオンライン会議へシフトさせれば、時間コストの削減にもつながります。
議論が発散するケースも少なくないため、一見、固定化されたルーチンワークと相性が悪そうな社内会議ですが、このように工夫することで大幅な効率化が叶うのです。

名刺の管理

顧客や取引先と交換した名刺の管理も、効率化してみましょう。

 

大量の名刺を個々の社員が保有している場合、ほかの社員による名刺情報へのアクセスが制限されるうえ、管理も煩雑になりがちです。
ツールにより名刺をデータ化して社内で一括管理すれば、情報を有効活用できるようになります。

 

名刺をデータ化する際は、専用のスキャナーと名刺管理アプリを使う方法のほか、外部業者へ委託するのもおすすめです。
名刺管理に代表される、コア業務以外のルーチンワークを外注すれば、業務過多を是正するとともに、コストの適正化も図れます。

経費精算

毎月、各部署から集まってくる経費精算の諸対応にも、改善の余地が多分に残されているかもしれません。
たとえば現状、手作業で経費精算を行っているのであれば、非効率的といわざるをえません。

 

経理担当者のもとには毎月、社内の各部署から領収書や明細といった経費精算に必要な資料が集まってきます。
これらの資料が紙媒体である場合や、電子データのフォーマットが統一されていない場合には、経理処理に多大な時間と工数が割かれます。

 

このような状況を打開するにあたって、ITツールの導入は非常に効果的です。
経理業務の大部分が自動化・ペーパーレス化することにより、現場の負担を軽くすることができます。

 

スムーズな経費精算をサポートしてくれるITツールは巷に溢れているため、自社の状況に適したものを導入してみてください。

ルーチンワークの見直しが必要なケース

これまで説明してきたように、現場の業務をうまくルーチンワークに組み込めれば、自社に多くの恩恵がもたらされます。
一方、ルーチンワークによって、かえって業務効率が低下しているケースも少なくありません。
最後に、ルーチンワークの見直しが必要なケースを2つ紹介します。

 

【ルーチンワークの見直しが必要なケース】

  • 不必要な作業が習慣化している場合
  • 作業フローが整備されていない場合

自社であてはまるものがないか、入念に確認してみてください。

不必要な作業が習慣化している場合

本来必要でない作業がルーチンワークに含まれていれば、業務の効率性を損ないかねません。

 

ルーチンワークは定型化した作業を進めるという特性上、このような作業が紛れていても気づきにくいという落とし穴があります。

 

組織内に非効率なルーチンワークが散見されるのであれば、一度ルーチンワークに含まれる各作業を見直してみることをおすすめします。
そのうえで、日々のルーチンワークに漫然と向き合うのではなく、改善の余地があるものに関しては適宜ピックアップして、チーム内で話し合ってみるとよいでしょう。

作業フローが整備されていない場合

ルーチンワークを進めるにあたってのフローが不明確な場合も、一度見直しが必要です。

 

優先順位やステップが明文化されていなければ、仕事の進め方に社員ごとの違いが生じ、スピードやクオリティにムラが生まれるだけではなく、ミスを誘発するおそれもあります。
そのため、ルーチンワークに関しては、マニュアル作成などを経てフローを可視化しつつ、属人化を排する努力が不可欠です。

書類作成や経費精算をルーチンワーク化すれば、現場の業務効率化を進められる!

今回はルーチンワークについて、効率化を進める際の秘訣や、ルーチン化が向いている業務を紹介しました。

 

ルーチンワークの効率化に際しては、作業を単純化したうえで、フォーマットの活用やITツールの導入が効果的です。
なお、書類作成や会議、経費精算などの業務をルーチン化することによって、現場の負荷が軽減され、組織全体の生産性の向上につながるかもしれません。

 

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