公開日 2026.05.26更新日 2026.05.26

AI BPaaSとは?BPO・SaaSとの違い・効率化できる業務・導入メリット・注意点を解説

AIを活用して業務を効率化したいものの、「SaaSを導入しても入力・確認作業が残る」「AIツールだけで実務を任せてよいのかわからない」と悩む方は多いのではないでしょうか。

こうした課題への選択肢が、AI BPaaSです。

AI BPaaSとは、AI・クラウドシステム・人による運用を組み合わせ、業務の一部または一連の流れを外部化・効率化するサービスです。

本記事では、AI BPaaSの仕組みやBPO・SaaSとの違い・効率化できる業務・導入メリット・注意点・選び方を解説します。

AIを活用してバックオフィス業務の効率化や外部化を進めたい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

AI BPaaSとは?

AI BPaaSとは、AI・クラウドシステム・人による運用を組み合わせ、業務の一部または一連の流れを外部化・効率化するサービスです。

従来のBPaaSに生成AIやAI OCRなどを組み込むことで、データ入力や確認作業、一次判断などの負担を軽減できます。

AIだけで業務を完結させるのではなく、人の確認や判断も組み合わせながら、業務全体を安定して運用できる点が特徴です。

BPaaS(ビーパース)の基本的な仕組み

BPaaSでは、クラウド上のシステムを使いながら、入力・確認・承認・データ管理などの業務を外部の運用体制に乗せて進めます。

自社でシステムを構築したり、担当者を一から育成したりしなくても、業務の流れをサービスとして利用できる点が特徴です。

たとえば、クラウド会計ソフトだけを導入した場合、請求書の登録や仕訳入力、内容確認は自社で対応する必要があります。

一方、BPaaSではシステムの提供に加えて、入力・確認・運用改善などの実務までまとめて依頼できます。

BPaaSで提供される主な内容は以下のとおりです。

  • 業務に必要なクラウドシステム
  • システムを使った入力・確認作業
  • 業務フローの整備
  • 運用後の改善や調整

経理・人事・総務などの定型業務を、システムと人の運用を組み合わせて外部化できる点がBPaaSの基本です。

AIを組み合わせた業務運用の特徴

AI BPaaSは、従来のBPaaSに生成AIやAI OCRなどを組み合わせた業務運用モデルです。

AI OCRとは、紙やPDFに書かれた文字を読み取り、データ化する技術を指します。

請求書や申請書の内容を人が一つずつ入力する作業を減らせる点が特徴です。

AI BPaaSでは、AIと人が役割を分けながら業務を進めます。

主な役割分担は以下のとおりです。

  • AI:書類の読み取り・データ抽出・分類・文案作成
  • 人:内容確認・最終判断・例外対応・承認作業
  • システム:データ管理・進捗管理・履歴の保存

たとえば請求書処理では、AIが取引先名や金額を読み取り、仕訳案を作成します。

その後、担当者が内容を確認し、必要に応じて修正や承認ルートへの連携を行ないます。

AIの処理速度と人の判断を組み合わせることで、業務の効率化と品質管理を両立しやすくなるのです。

単なるAIツールとの違い

AI BPaaSと単なるAIツールの違いは、ツールの提供だけでなく、業務運用まで含まれるかどうかです。

AIツールは、文章作成やデータ分析、画像認識など、特定の作業を効率化するための手段です。

ただし、出力結果の確認や社内ルールへの反映は自社で対応する必要があります。

AIツール導入後に自社で対応が必要になりやすい作業は、以下のとおりです。

  • 初期設定や運用ルールの作成
  • 入力データの準備
  • AIの出力結果の確認
  • 誤りがあった場合の修正
  • 社内フローへの反映

一方、AI BPaaSでは、AIを活用した業務設計から日々の運用、確認作業までまとめて依頼できます。

AIを導入して終わりではなく、実務が滞らない状態を外部パートナーといっしょに作る点が大きな違いです。

BPO・SaaS・AI BPO・AIエージェントとの違い

AI BPaaSは、BPO・SaaS・AI BPO・AIエージェントと近い領域のサービスです。

ただし、提供範囲や運用体制には違いがあります。

主な違いは以下のとおりです。

種類 主な特徴 AI BPaaSとの違い
BPO 業務を外部に委託するサービス AI BPaaSはAIやクラウドシステムを前提に業務を運用する
SaaS クラウド上のソフトウェアを利用するサービス AI BPaaSはツール提供だけでなく実務運用まで含む
AI BPO BPOにAIを組み合わせたサービス AI BPaaSはクラウド基盤と標準化された業務フローを重視する
AIエージェント AIが作業を自律的に実行する仕組み AI BPaaSは人による確認や例外対応も含めて運用する

違いを整理すると、自社に必要なのがツールなのか、業務代行なのか、業務プロセス全体の外部化なのかを判断しやすくなります。

BPOとの違いは「システム活用」と「業務改善のしやすさ」

BPOとは、経理・人事・総務・カスタマーサポートなどの業務を外部企業に委託するサービスです。

従来型のBPOでは、人による作業代行が中心となるケースも多く、担当者や運用ルールによって品質に差が出る場合があります。

一方、AI BPaaSはクラウドシステムとAIを活用し、入力・確認・承認・進捗管理などをシステム上で進めます。

業務の流れや作業状況を把握しながら、ミスが起きやすい作業や時間がかかる工程を見直せる点がBPOとの違いです。

SaaSとの違いは「ツール提供だけで終わらないこと」

SaaSとは、クラウド上のソフトウェアをインターネット経由で利用するサービスです。

経費精算システムや勤怠管理システム、会計ソフトなどが代表例にあたります。

SaaSを導入すると業務のデジタル化は進みますが、入力・確認・催促・例外対応などの作業は自社に残る場合があります。

一方、AI BPaaSはクラウドシステムの提供に加えて、システムを使った実務運用まで支援範囲に含められます。

ソフトウェアを導入して終わりではなく、業務が実際に回る状態まで支える点が、SaaSとの違いです。

AI BPOとの違いは「業務プロセス全体を設計・運用する視点」

AI BPOとは、BPOにAIを組み合わせ、業務の効率化や自動化を進めるサービスです。

たとえば、AI OCRで書類を読み取る、生成AIで問合せ対応文を作成する、AIでデータを分類するといった活用が考えられます。

AI BPaaSとの違いは、クラウドシステムを基盤に、業務プロセス全体を標準化して運用する点です。

AI BPOが既存業務の一部にAIを組み込む形で提供される場合があるのに対し、AI BPaaSは業務フローそのものを整えたうえで運用できます。

単に作業を代行するだけでなく、業務の進め方まで見直せる点がAI BPaaSの特徴です。

AI BPOの基本的な仕組みや活用シーンを詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:AI BPOとは?種類・活用シーン・導入メリット・注意点・選び方まで解説

AIエージェントとの違いは「実務の運用責任まで含むこと」

AIエージェントとは、AIが指示に応じて情報収集・文章作成・データ処理などを自律的に進める仕組みです。

業務システムやAPIと連携し、複数のタスクを実行できるものもあります。

ただし、AIエージェントだけですべての業務を正確に完了できるとは限りません。

誤った判断の修正・例外的な問合せ対応・関係者への説明などは、人の確認が必要です。

AI BPaaSは、自動化技術を活用しながらも、人による確認・修正・例外対応を含めて業務を運用します。

AIが処理できる作業だけでなく、実務上の判断や引き継ぎまで含めて支援できる点がAIエージェントとの違いです。

AI BPaaSが注目される背景

AI BPaaSが注目される背景には、単なるツール導入だけでは解決しにくい業務課題があります。

主な背景は以下のとおりです。

  • 人手不足により、採用だけでは業務量に対応しにくくなっている
  • SaaSを導入しても、入力・確認・例外対応が現場に残りやすい
  • 生成AIの普及により、業務設計そのものを見直す企業が増えている
  • AIの誤判断や責任範囲を人が補う運用が求められている

ここからは、それぞれの背景を具体的に見ていきます。

人手不足により、採用だけでは業務量に対応しにくくなっている

少子高齢化や労働人口の減少により、企業では人材確保が難しくなっているのが現状です。

特に経理・人事・総務などのバックオフィス業務では、担当者の退職や休職によって業務が滞るリスクがあります。

採用で欠員を補おうとしても、募集から採用、教育、定着までには時間がかかります。

経験者を採用できたとしても、自社の業務ルールに慣れるまでには一定の期間が必要です。

そのため、採用だけに頼るのではなく、AI BPaaSを活用して業務の一部を外部化する企業も出てきています。

人が足りない部分をAIと外部の運用体制で補える点が、注目される理由の一つです。

SaaSを導入しても、入力・確認・例外対応が現場に残りやすい

SaaSを導入すると、申請や承認、データ管理などの業務をデジタル化できます。

しかし、システムを入れただけで業務がすべて自動化されるわけではありません。

現場に残りやすい作業は以下のとおりです。

  • 従業員への入力依頼や催促
  • 入力内容や添付書類の確認
  • 取引先ごとに異なる書類形式への対応
  • 社内ルールに沿った例外処理
  • 部門長や関係者への確認連絡

たとえば、請求書受領システムを導入しても、金額や支払条件の確認・差し戻し対応・部門への連絡は担当者が行なう場合があります。

AI BPaaSは、システム運用に残る手作業まで含めて効率化できる点で注目されているのです。

生成AIの普及により、業務設計そのものを見直す企業が増えている

生成AIの普及により、文章作成や要約・分類・問合せ対応などをAIに任せる動きが広がっています。

これまで人が一から対応していた業務でも、AIが下書きや一次処理を担う形に変えられる場合があります。

たとえば、メール対応では、人が文面を一から考えるのではなく、生成AIが返信案を作成し、担当者が内容を確認して送信する流れが考えられます。

社内FAQでも、AIが質問内容を読み取り、回答候補を提示する運用が可能です。

生成AIの活用は単なる作業効率化にとどまらず、AIに任せる作業と人が判断する作業を分けながら、業務フローそのものを見直すきっかけになっています。

生成AIを使った具体的な業務効率化のアイデアを知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:生成AIで業務効率化!活用アイデア9選・ツールの選び方・成功のコツ・事例を紹介

AIの誤判断や責任範囲を人が補う運用が求められている

AIは業務効率化に役立つ一方で、誤った内容をもっともらしく出力したり、書類の文字を読み間違えたりするリスクがあります。

特に財務データや個人情報を扱う業務では、AIの出力をそのまま使うとトラブルにつながるおそれがあります。

そのため、AIを業務に取り入れる際は、人による確認や承認を組み込むことが重要です。

たとえば、AIが請求金額や取引先名を抽出したあと、担当者が原本と照合し、内容を確認してからデータを確定する運用が考えられます。

AI BPaaSでは、AIによる自動処理と人による確認を組み合わせて業務を進めます。

効率化だけでなく、誤判断や責任範囲への対応も含めて運用できる点が求められているのです。

AI BPaaSで効率化できる主な業務

AI BPaaSは、定型作業が多く、ルールに沿った処理が求められる業務と相性があります。

代表的な活用領域は以下のとおりです。

  • 経理業務
  • 人事業務
  • 総務業務
  • カスタマーサポート

それぞれの業務でAI BPaaSをどのように活用できるのかを見ていきましょう。

経理業務

経理業務は、数値や取引ルールに沿って処理する作業が多い領域です。

紙やPDFの書類を扱う場面も多いため、AI OCRや自動仕訳の活用と相性があります。

具体的には、以下のような作業に活用できます。

  • 請求書の読み取り
  • 仕訳案の作成
  • 経費精算の確認
  • 支払データの作成
  • 入金・支払状況の確認

紙やPDFで届く請求書は、AIで取引先名や金額、支払期日などを読み取り、データ化できます。

そのうえで、担当者や専門スタッフが内容を確認すれば、入力作業や確認作業の負担を減らせるのです。

人事業務

人事業務は、正確な処理と期限管理が求められる領域です。

毎月発生する作業や決まった手順が多いため、AIと外部の運用体制を組み合わせることで、担当者の負担軽減につながります。

具体的には、以下のような作業に活用できます。

  • 勤怠データの確認
  • 給与計算に必要な情報の整理
  • 入退社手続きの進行管理
  • 採用面接の日程調整
  • 労務関連の問合せ一次対応

従業員からのよくある質問には、AIチャットボットで一次対応する方法があります。

複雑な相談や判断が必要な手続きは専門知識を持つスタッフが対応することで、人事担当者の負担を抑えられるでしょう。

総務業務

総務業務は、社内の幅広い依頼や管理業務を担う領域です。

細かな作業が分散しやすく、担当者の経験に依存しやすいため、業務ルールを整理して外部化する効果があります。

具体的には、以下のような作業に活用できます。

  • 備品発注の申請管理
  • 契約書情報のデータ化
  • 契約更新期限の管理
  • 郵便物や書類の仕分け
  • 社内問合せの一次対応

契約書管理では、紙の契約書をAI OCRでデータ化し、契約期間や更新期限をクラウド上で管理する使い方があります。

期限通知や台帳更新の流れを整えることで、確認漏れや担当者への依存を減らせるのです。

カスタマーサポート

カスタマーサポートは、対応スピードと品質の安定が求められる領域です。

問合せ件数が多い場合、AIによる一次対応と人への引き継ぎを組み合わせることで、対応負担を軽減できます。

具体的には、以下のような作業に活用できます。

  • 問合せ内容の分類
  • よくある質問への一次回答
  • 回答案の作成
  • 対応履歴の整理
  • 担当者への引き継ぎ

問合せ対応では、AIが過去の対応履歴やFAQをもとに回答案を作成し、オペレーターが内容を確認して返信する運用が考えられます。

AIだけで完結させず、人の確認を組み合わせることで、対応スピードと品質の安定につながるでしょう。

AI BPaaSを導入する4つのメリット

AI BPaaSを導入すると、AI・クラウドシステム・人による運用を組み合わせながら、業務負担の軽減や品質の安定を図れます。

主なメリットは以下のとおりです。

  • 手作業や確認作業の負担を減らせる
  • 属人化を防ぎ、業務品質を安定させやすい
  • AIと人の役割分担により、例外対応まで任せやすい
  • 業務改善と外部委託を同時に進めやすい

それぞれ詳しく見ていきましょう。

手作業や確認作業を減らせる

AI BPaaSを導入すると、データ入力や一次チェックなどの手作業の負担を減らせます。

AIによる自動処理と外部スタッフによる運用を組み合わせるため、自社の担当者がすべての作業を抱え込む必要がなくなります。

たとえば、毎月の請求書処理では、AIが書類の内容を読み取り、担当者や専門スタッフが確認する流れを作ることが可能です。

社員は単純作業に使う時間を減らし、判断が必要な業務や改善提案に時間を充てられるでしょう。

属人化を防ぎ、業務品質を安定させやすい

AI BPaaSを活用すると、特定の担当者だけが業務の進め方を把握している状態を防ぎやすくなります。

業務フローをシステム上で管理し、処理ルールや確認手順を整理しながら運用できるためです。

属人化した業務では、担当者が休むと処理が止まったり、人によって確認基準が変わったりする場合があります。

AI BPaaSでは、外部の運用体制とクラウドシステムを組み合わせて業務を進めるため、退職や異動があった場合でも引き継ぎの負担を抑えられます。

業務の属人化を防ぐ具体的な方法を詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:属人化を解消する方法とは?原因と対策方法を解説

AIと人の役割分担により、例外対応まで任せやすい

AI BPaaSは、AIだけでなく人の確認や判断を組み込める点もメリットです。

すべての業務を完全に自動化するのは難しく、書類の形式違いや社内ルールに沿った判断などは人の対応が必要になります。

業務を安定して進めるには、以下のように役割を分けることが重要です。

担当 主な役割
AI 書類の読み取り・データ抽出・分類・回答案の作成などを行なう
内容確認・例外対応・最終判断・関係者への確認などを担う
システム 進捗管理・履歴保存・承認フローの管理などを支える

取引先からいつもと違う形式の請求書が届いた場合でも、AIが読み取れる範囲を処理し、人が不足情報や判断が必要な部分を確認できます。

AI BPaaSでは、AI・人・システムの役割を分けることで、自社に差し戻される作業を減らし、業務を止めずに進められます。

業務改善と外部委託を同時に進められる

AI BPaaSを導入すると、業務を外部に任せるだけでなく、業務手順を見直すきっかけになります。

AIやクラウドシステムを前提に業務フローを整理することで、紙やExcel中心の運用を見直せます。

外部委託だけでは、非効率な手順が残る場合も少なくありません。

一方、AI BPaaSでは、入力・確認・承認・進捗管理などの流れをシステム上で整理しながら運用できます。

紙ベースの承認フローをクラウド上の申請・承認に切り替えれば、進捗確認や履歴管理がしやすくなります。

外部委託とあわせて業務の流れを整えられる点がメリットです。

AI BPaaSを導入する際の4つの注意点

AI BPaaSは業務負担の軽減に役立つ一方で、導入前の整理が不十分だと、運用後に手戻りが発生するおそれがあります。

確認しておきたい内容は以下のとおりです。

  • AIに任せる業務と人が判断する業務を分ける必要がある
  • セキュリティや情報管理の体制を確認する必要がある
  • 既存システムやSaaSとの連携範囲を確認する必要がある
  • ベンダーに任せきりにせず、業務ルールを共有する必要がある

導入後に「思っていた運用と違った」とならないように、事前に押さえるべきポイントを確認していきましょう。

AIに任せる業務と人が判断する業務を分ける必要がある

AI BPaaSを導入する際は、AIが処理する業務・人が確認する業務・自社が最終承認する業務を分けておく必要があります。

任せる範囲が曖昧なままだと、誤った処理に気づけなかったり、責任の所在が不明確になったりするためです。

役割を整理する際は、以下のように分けると考えやすくなります。

区分 主な内容
AIが処理する業務 書類の読み取り・データ抽出・分類・一次チェック
外部スタッフが確認する業務 不備確認・例外対応・入力内容の修正・関係者への確認
自社が最終承認する業務 振込承認・重要な意思決定・社内ルールに関わる判断

たとえば、経理業務では請求書の読み取りや支払データの作成までを外部に任せ、最終的な振込承認は自社の承認権限者が行なう運用が考えられます。

AI BPaaSを活用する場合でも、重要な判断や承認まで丸投げしない体制が必要です。

セキュリティや情報管理の体制を確認する必要がある

AI BPaaSでは、請求書・従業員情報・顧客情報などの機密情報を外部サービス上で扱う場合があります。

そのため、導入前に提供会社のセキュリティ基準やデータ管理体制を確認しておくことが重要です。

確認しておきたい項目は以下のとおりです。

  • AIの学習データとして自社情報が二次利用されないか
  • スタッフのアクセス権限が適切に管理されているか
  • データの保管場所や保管期間が明確か
  • 情報漏洩時の報告体制が整っているか
  • 契約終了後のデータ削除方法が決まっているか

情報漏洩が発生すると、提供会社だけでなく委託元企業の信頼にも影響します。

契約前に確認範囲を明確にしておきましょう。

既存システムやSaaSとの連携範囲を確認する必要がある

AI BPaaSを導入する際は、自社で使っている基幹システム・会計ソフト・勤怠管理システム・チャットツールなどとの連携範囲を確認する必要があります。

連携できる範囲が限られていると、データの二重入力やファイルの手動移動が残る場合があります。

確認する際は、API連携の可否だけでなく、CSVでのデータ受け渡しや手動運用が必要になる場面も見ておくと安心です。

提供会社が自社指定のSaaSや業務フローにどこまで対応できるかを、導入前に確認しておきましょう。

ベンダーに任せきりにせず、業務ルールを共有する必要がある

AI BPaaSは外部の運用体制を活用できるサービスですが、導入後に任せきりにするのは避けるべきです。

自社特有の承認ルールや例外処理を共有しないまま運用を始めると、想定と異なる処理が行なわれる可能性があります。

たとえば、以下のような社内ルールは事前に共有しておくと安心です。

  • 特定の取引先から届く請求書は部門長にも確認を通す
  • 一定金額を超える支払いは追加承認を必要とする
  • 急ぎの支払いは通常フローとは別に確認する
  • 例外処理が発生した場合の連絡先を決めておく

導入時だけでなく、運用開始後もルールを見直しながら共有することで、AI BPaaSをより安定して活用できます。

AI BPaaSが向いている企業・向いていない企業

AI BPaaSは、業務量や社内体制によって向き・不向きが分かれます。

導入前に、自社の業務課題や運用体制と照らし合わせて判断することが重要です。

判断する際の目安は以下のとおりです。

向いている企業 ・経理・人事・総務などの定型業務が多い
・担当者の退職や異動で業務が止まりやすい
・SaaSを導入しても入力・確認作業が残っている
・AIと外部スタッフを活用して業務を標準化したい
向いていない企業 ・業務量が少なく、外部化するほどの負担がない
・社内ルールが整理されておらず、例外処理が多すぎる
・機密情報を外部に出すことが難しい
・ベンダーに任せたあと、社内で運用状況を確認する体制がない

AI BPaaSが向いているのは、定型業務の負担が大きく、AIやクラウドシステムを使って業務を整理したい企業です。

一方で、任せる範囲や判断基準を共有できない状態では、導入後に認識のズレが起こる可能性があります。

自社の業務を外部化できる状態に整えてから検討すると、導入効果を得やすいでしょう。

AI BPaaSサービスを選ぶ際の5つのポイント

ここからは、AI BPaaSサービスを選ぶ際の5つのポイントを解説します。

  • 対応できる業務範囲が自社課題に合っているか
  • AIと人の役割分担が明確か
  • 導入後の運用や改善まで任せられるか
  • 経理・人事など専門業務への理解があるか
  • セキュリティや情報管理の基準が明確か

導入後に「思ったより任せられなかった」とならないように、各ポイントを順に確認していきましょう。

対応できる業務範囲が自社課題に合っているか

AI BPaaSサービスを選ぶ際は、対応できる業務範囲が自社の課題に合っているかを確認しましょう。

サービスによって、請求書処理に特化しているものもあれば、経理・人事・総務などを幅広く支援するものもあります。

選定前に整理したい内容は以下のとおりです。

  • 外部化したい業務
  • 社内に残したい業務
  • 毎月の作業量
  • 現在利用しているSaaSや社内システム

範囲が狭すぎると一部の作業だけが残り、広すぎると不要な費用がかかる可能性があります。

自社に必要な範囲を見極めたうえで選ぶことが大切です。

AIと人の役割分担が明確か

AI BPaaSでは、AIが処理する範囲と、人が確認・判断する範囲が明確なサービスを選ぶ必要があります。

役割分担が曖昧なままだと、トラブルが起きた際に、誰が確認するのか判断しにくくなるためです。

確認すべき内容は、単に「AIを活用しているか」ではありません。

書類の読み取りや分類はAIが担うのか、例外処理や最終確認は人が行なうのかまで確認しましょう。

AIと人の役割が具体的に示されていれば、導入後の運用イメージを持てます。

従来の人力代行と何が違うのかも比較しやすくなるでしょう。

導入後の運用や改善まで任せられるか

AI BPaaSサービスは、導入して終わりではありません。

業務開始後に発生するエラー対応や手順の見直し、業務量の変化への対応まで支援してもらえるかを確認しましょう。

特に、経理や人事の業務は、社内ルールの変更や制度改正によって運用方法が変わる場合が少なくありません。

初期設定だけに対応するサービスでは、運用が変化した際に社内側の負担が増える可能性があります。

選定時には、定例ミーティングの有無や改善提案の範囲、問合せ対応の体制まで確認しておくと安心です。

継続的に見直せる体制があれば、導入後も業務に合わせて運用を調整できます。

経理・人事など専門業務への理解があるか

AI BPaaSを選ぶ際は、ITやAIの技術力だけでなく、委託する業務への理解があるかも重要です。

経理・人事・労務などの業務では、処理ルールや確認すべき項目が細かく、一般的な事務代行だけでは対応しきれない場面があります。

たとえば、請求書処理では勘定科目や支払条件の確認が必要です。

勤怠や給与に関わる業務では、就業規則や社内の承認ルールも関係します。

業務知識を持つ担当者がいれば、例外処理や確認事項を理解したうえで運用を進めやすくなります。

結果として、自社への確認依頼が増えすぎる状況も防げるでしょう。

セキュリティや情報管理の基準が明確か

AI BPaaSでは、請求書・従業員情報・顧客情報などを扱う場合があります。

そのため、サービスを選ぶ段階で、セキュリティや情報管理の基準が明確に示されているかを確認しましょう。

確認したい内容は以下のとおりです。

  • データの保管方法や保管場所
  • アクセス権限の管理方法
  • AI学習へのデータ利用有無
  • 契約終了後のデータ削除方法
  • 情報漏洩時の報告体制

情報管理の基準が曖昧なまま導入すると、あとから確認すべき事項が増え、社内承認に時間がかかる可能性があります。

安心して業務を任せるためにも、契約前に確認しておきたいポイントです。

AI BPaaSを活用した企業の事例4選

AI BPaaSに近い取り組みは、AI・クラウド・人の運用を組み合わせた業務改善の中に見られます。

ここでは、AI BPaaSを活用した企業の事例を4つ紹介します。

事例 主な取り組み
大手IT企業 AIを前提に、業務整理や運用改善まで支援する
SaaS企業 クラウドサービスと業務代行を組み合わせる
大手メーカー×BPO企業 RPAを活用して経理業務を効率化する
バックオフィス支援企業 BPaaSで中小企業の業務運用を支援する

それぞれの事例から、AI BPaaSを導入する際に参考になる業務設計や運用体制のヒントを見ていきましょう。

大手IT企業|AI前提で業務設計から運用まで見直す

大手IT企業では、生成AIを活用した業務支援において、AIツールの導入だけでなく、業務整理やマニュアル改善、セキュリティ対策まで含めた支援を行なっています。

社内ヘルプデスクの効率化では、問合せ対応の業務委託や業務マニュアル改善まで支援範囲に含めるケースもあります。

AI BPaaSでも、AIを一部の作業に使うだけでは効果が限定的です。

業務の流れを見直し、AIが処理する範囲と人が確認する範囲を整理することで、運用品質の安定につながります。

SaaS企業|クラウドサービスと業務代行を組み合わせる

SaaS企業のなかには、クラウドサービスに業務代行を組み合わせ、バックオフィス業務の効率化を支援する動きがあります。

プロによる代行とクラウドシステムを組み合わせたBPaaS型のサービスも広がっています。

AI BPaaSも同様に、ソフトウェアを提供して終わりではなく、ツールを使った実務の流れまで支援する点が特徴です。

システムを導入しても使いこなす人手が足りない企業にとって、クラウドと業務代行を組み合わせる形は有効です。

大手メーカー×BPO企業|RPAを活用して経理業務を効率化する

大手メーカーとBPO企業の協業では、RPAなどの先端技術と人的オペレーションを組み合わせ、間接材の購買業務を効率化しています。

多品目かつ少額取引が多い領域で、業務プロセスの見直しやBPO活用、RPAによる自動化を進めた事例です。

AI BPaaSでも、複雑な業務をそのまま外部に渡すのではなく、処理しやすい流れに整理することが重要です。

テクノロジーと人の運用を組み合わせることで、社内だけでは対応しにくい業務量や例外処理への対応につながります。

バックオフィス支援企業|BPaaSで中小企業の業務運用を支援する

バックオフィス支援企業では、中小企業向けに、定常業務から専門領域まで支援するBPaaS型の業務プロセス代行サービスを展開しています。

SaaSやAIを活用した業務運用を外部の専門チームに任せられる点が特徴です。

中小企業では、専任担当者の不足により、システム導入や業務整理まで手が回らない場合があります。

AI BPaaSのように、クラウドシステムと外部の運用体制を組み合わせれば、日々の作業だけでなく、業務の進め方を見直すきっかけになります。

バックオフィス業務の見直しや法改正対応の進め方を詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:【バックオフィス向け】2026年法改正対応ガイド|実務ステップとコア業務集中への解決策

AI BPaaSを活用して、業務効率化と外部化を進めよう

AI BPaaSは、AI・クラウドシステム・人による運用を組み合わせ、業務の外部化と効率化を進めるサービスです。

SaaSやAIツールだけでは残りやすい入力・確認・例外対応まで含めて、業務フローを見直せる点に特徴があります。

導入効果を高めるには、単にAIツールを入れるのではなく、業務フロー全体を整理したうえで運用することが欠かせません。

とくにいま、AIで叫ばれているのが『AI導入疲れ』です。

chat GPTやAI OCRを導入したが、結局人の目視が必要であったり部門間連携にしこりが残ったりAIが出力したものを修正する工数がかかったりしています。

NEO assistantは、ヒト×AIのハイブリッド業務支援サービスです。

専任AIディレクターと業務に特化した人材が連携し、業務整理から入りAIワークフローの構築から保守・運用まで一貫してサポートします。

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