創業1947年、福井の製麺所が“変わらない味”を守るために変えたこと。仕組みで支える新しい家業のかたち
宗近 鉄也様

創業1947年、福井県に根差してきた越前そば 宗近製麺所は、現四代目・宗近 鉄也氏の代で大きな転換期を迎えました。
先代の時代から事業は続いていたものの、売上は伸び悩み、現場には昔のやり方のまま手つかずになっていた業務や設備が多く残されていました。衛生基準の見直しから、接客・商品・業務フローにいたるまで、“当たり前”を一から再構築するところからの再出発。そうした地道な改革とともに、2020年にオンラインアシスタントサービス「CASTER BIZ assistant」を導入します。
現在は、受発注・振込登録・タイムカード集計・労務管理・スキャン・名刺や顧客ハガキのリスト化まで、実務を幅広く依頼。家族中心で属人化していたバックオフィス体制から進化を遂げました。売上も5年ほどで約2.3倍に伸長し、地元に軸足を置いたブランド戦略で「福井の食の観光資源」を目指す挑戦が続いています。
そんな改革の裏にどんな意思決定があったのか、現場はどう変わったのか、四代目 宗近 鉄也氏にお話を伺いました。
「昔ながら」にとらわれず。“業務も変える”老舗の意思決定
――まずは、導入の背景を教えてください。
2020年、長年勤めていた事務スタッフが退職したことが一つの転機でした。新たな採用も検討しましたが、「本当にすべてを自社で行う必要があるのか?」と立ち止まって考えたんです。もともと、常に従来のやり方に固執せず、「もっと良い方法はないか」を模索するようにしていて。
マニュアル化できる業務であれば、外部に任せた方が合理的だと感じていましたし、辞めるリスクがないという点でも、アウトソーシングという選択肢は非常に魅力的でした。
そういった考えのもと、CASTER BIZ assistantにたどり着いたという流れです。
——次に、依頼している業務内容を教えてください。
現在依頼している業務は、振込登録やタイムカードの集計、労務管理表の作成、売上や請求処理といった日々のバックオフィス業務をはじめ、ECサイトで注文いただいた商品の納品書スキャンや、顧客ハガキ・名刺のリスト化など、幅広い業務にわたっています。
いずれも、業務の流れやルールを明文化しやすい作業です。逆に言えば、マニュアルさえ整っていれば外部のプロに安心して任せられるものばかりとも言えます。
だからこそ、私たちは「人の判断」や「人の温度」が求められる業務に社員のリソースを集中させ、それ以外はできる限り外部へ依頼する方針を取っています。特に製造業は現場でしかできない仕事が多いので、内勤スタッフの負荷をいかに減らすかは、生産性や品質に直結する重要なテーマです。

――CASTER BIZ assistantとのコミュニケーションの工夫や特徴があれば教えてください。
基本的には、チャットを通してテキストのみでやり取りが完結しています。依頼内容を伝える際には、業務の背景や目的を一言添えたり、必要に応じて資料を作成したりすることで、誤解や認識のズレが生まれないよう気をつけています。多少手間はかかりますが、こうした言語化・可視化を丁寧に行うことで、短いやり取りでも精度の高い対応をしていただけています。
私は以前から、東京にいるデザイナーと20年にわたりリモートで仕事をしてきた経験があり、「目的と構造が明確であれば、顔を合わせなくても信頼関係は築ける」と実感しています。むしろテキストベースだからこそ履歴が残り、後から内容を振り返りやすいという利点もあります。
CASTER BIZ assistantは、いわば“顔の見えないアシスタント”ですが、単なる事務代行ではありません。こちらの事情や業務の流れを理解した上で、的確かつ柔軟に対応してくれる、まさに心強いパートナーです。今では、いなくては困る存在になっています。
「いないと困る存在に」導入から5年、母の負担も軽減し“仕組み化”が前進
――導入から約5年が経ちますが、この間でどのような変化を感じていますか?
導入当初は、「人手が足りない部分を埋める」という位置づけでしたが、今では“いないと困る存在”に変わっています。
以前は、現場を回しながら私自身が受発注や請求、名刺管理といった細かな業務にも対応していました。また母も、労務関連の手続きや給与計算など、バックオフィスの重要な業務をすべて一人で担っていたので、体力的にも大変だったと思います。
CASTER BIZ assistantを導入してから、少しずつ業務が整理・分担され、母の負担も明らかに軽くなってきました。現在は余裕が生まれたことで、母は他のことに目を向けられるようになり、私自身も新しい取り組みに注力できるようになりました。
「この人しか分からない」という属人化の課題も少しずつ解消されつつあります。

――CASTER BIZ assistantはどんな人におすすめできるサービスだと思いますか?
人手が足りない中でも「業務の質を落とさずにやりきりたい」と思っている経営者や、家族経営で多くの業務を限られた人数で回している方には、特におすすめしたいですね。単なる“雑務の肩代わり”ではなく、業務を整理して仕組み化することができるので、根本的な課題解決につながると感じています。
また、「これは自分がやらなきゃ」と抱え込んでしまうタイプの方にも良いと思います。信頼できるパートナーに少しずつ任せていくことで、自分自身の時間も気持ちも確実に軽くなります。

売上は5年で約2.3倍に成長!外部の力も借りて、成長し続ける組織へ
――最後に、これからどのような組織を目指していくのか、展望をお聞かせください。
これまで直営店の運営やEC展開、各地でのイベント出展など、新しい挑戦を重ねてきました。その積み重ねが実を結び、売上は5年で約2.3倍にまで伸びています。
今後は、こうした成果をさらに地元に還元していくフェーズだと考えています。福井の良さを発信し、足を運んでもらえるような「食の観光資源」としてのブランドを確立していくことが目標です。
そして組織としては、特定の人に業務が集中することなく、従業員それぞれが自分の役割に集中できる体制を継続していきたいですね。CASTER BIZ assistantのような外部の力も上手に借りながら、無理なく成長し続けられる組織でありたいと考えています。
——本日はお忙しいところ、貴重なお話をいただきありがとうございました!
CASTER BIZ assistantでは、オンラインアシスタントサービスを展開しています。
2025年8月時点で累計5,800社以上の利用実績を誇るサービスです。
事務などのバックオフィス業務はもちろん、公式ホームページに記載がない業務でも、ご相談いただけます。
アウトソーシングを活用して、自社の売上をさらに伸ばしたいとお考えの方は、ぜひ一度お問い合わせください。
越前そばの老舗・株式会社宗近 四代目