101人~500人以上

セキュリティ要件を超えるために鹿島建設が選んだ“専用サテライト環境”という打ち手

鹿島建設株式会社 イノベーション推進室
石橋様,古川様,齋藤様

セキュリティ要件を超えるために鹿島建設が選んだ“専用サテライト環境”という打ち手

鹿島建設株式会社 イノベーション推進室
石橋様,古川様,齋藤様
鹿島建設

大規模な土木・建築工事を担い、日本の社会基盤を支えてきた鹿島建設株式会社

同社のイノベーション推進室は、土木・建築・不動産・海外事業といった領域を横断しながら、現場の課題の発見・解決支援や新規事業への取り組み、社内研修等を通じてイノベーション創出活動を行う組織です。プロジェクトごとに業務内容が異なるため、固定的な体制を構築することが難しく、さらに派遣社員の常駐といった選択肢もセキュリティ等の観点から実現が難しい状況でした。

「人を増やす」でも「業務を抱え込む」でもない形で、どう業務を支え、前に進めていくか。その打ち手の一つとして導入されたのが、オンラインアシスタントサービス「CASTER BIZ assistant」です。

さらに鹿島建設では、セキュリティ要件を満たすために、鹿島建設専用のサテライト環境として、キャスター本店内に鍵付き個室を設け、セキュリティ要件を満たす体制を構築。これにより、リモート環境では対応できなかった業務についても、外部に任せられるようになりました。

業務の柔軟性と情報セキュリティをどのように両立してきたのか。その試行錯誤と、活用が定着するまでのプロセスを、実際に利用しているイノベーション推進室課長の石橋様、主任の古川様、齋藤様の3名にお話を伺いました。

みんなで抱え込む働き方から、仕組みで支える体制へ

──まず、キャスター導入の背景を教えてください。

石橋 様: イノベーション推進室では、プロジェクトごとに求められる内容が大きく異なるため、担当メンバーや進め方を柔軟に組み替えられる体制こそが成果につながると考えています。

そのため、一般的な事務業務のように明確なルーティンや役割を固定し、「定型業務に落とし込む」ことを最優先にはしていません。多様なプロジェクトに応じて臨機応変に対応できる運営方法を重視しています。

一方で、こうした変動の大きい環境では、会議調整や資料作成といった事務作業に各メンバーが割く時間が増えがちで、「いかにして“考える時間”を確保するか」が課題となっていました。

柔軟性を保ちながらも、事務負担を軽減する新しいサポートの形が必要ではないかと考えていました。

石橋様

イノベーション推進室 課長 石橋様

──そうした中で、どのようなきっかけでCASTER BIZ assistantを知ったのでしょうか?

石橋様: 次世代のイノベーターを育成するための社外研修プログラムに参加したことがきっかけです。その研修で講師として登壇されていた、キャスターの代表取締役・中川さんから、CASTER BIZ assistantのサービスについて話を聞きました。

全国各地、さらには海外にもスタッフがいて、それぞれの得意分野を活かして業務にあたってもらえるという考え方は、少人数でプロジェクトを回している自分たちの組織にとって、非常に現実的な選択肢だと感じました。

一方で、導入にあたっては、自分たちの業務をどこまで切り出せるのか、実際にうまく回るのかといった不安もありました。そこでまずは、試しながら使い方を探っていく形で導入することにしました。

部門としての依頼と、個人の業務支援——二つの使い分け

──実際には、どのような業務を依頼していますか?

石橋様: イノベーション推進室内の業務としては、問い合わせ対応の進捗確認やリマインド、PowerPointやExcelを用いた資料作成のたたきづくり、社外活動に生じる領収書や名刺の整理、議事メモの作成、社内イントラネットを使った作業などをお願いしています。

こうした業務は、「誰かが必ずやらなければならない一方で、専任を置くほどではない」ものばかりです。一つひとつは短時間で終わるものの、確実に私たちの業務時間を奪っており、必要ではあるものの煩雑な業務に追われることで、本来注力すべき業務の密度が下がっている感覚がありました。CASTER BIZ assistantにお願いすることで、イノベーション推進室全体の業務が滞らないよう、そうした部分を下支えしてもらっています。

古川 様(以下、古川様): 私は講演会に関わる業務で活用することが多いです。講演会後には、アンケートの回収や集計、その内容をもとにした報告書作成が発生します。そうした場面で、過去の報告書を参考に、集計から報告書のたたき作成までを依頼しています。

個人的には、「ゼロから何かを作る」作業に一番負荷を感じています。一方で、ある程度たたきとなるもの、いわば「10」くらいの状態のものがあれば、そこから「60」や「70」まで仕上げていくことにはそこまで負担を感じません。
そのため、自分が不得意な「0」の部分を切り出してお願いできる点は、とても助かっています。

齋藤 様(以下、齋藤様): 私は、動画関連の業務や、部署内の事務・チェック業務で活用しました。

講演会や社内イベントの動画に付ける字幕作業で、英語で自動生成された字幕を日本語に翻訳し、さらに字幕専用のファイル形式に整える必要がありました。翻訳自体は機械翻訳でも対応できますが、字幕用のフォーマットに整える作業は意外と手間がかかり、生成AIでもうまく処理できない部分があったんです。

こうした、手順が決まっていてマニュアル化できる業務は、最初からCASTER BIZ assistantにお願いした方が効率的だと感じています。

古川様

イノベーション推進室 主任 古川様

──実際に利用してみて、率直な使用感はいかがですか?

古川様: ありがたく使わせてもらっています。特に助かっているのが、ディレクターの役割を担うフロントの方のレスポンスの速さです。依頼するとすぐに反応があり、納期も期限より前に返ってくることが多い。このスピード感があるからこそ、安心してお願いできています。

また、報告書作成のような難易度の高い依頼でも、こちらの説明が少し足りていない部分を汲み取ってくれる。こちらがすべてを言語化しなくても、意図や背景を推測して動いてくれる点は、AIとの大きな違いだと感じています。

齋藤様: 私が依頼したことがある業務は、ちょっとした作業というより、ある程度まとまった工数がかかるものが多いです。そのため内容によっては、「この作業だけなら自分で手を動かした方が早いかもしれない」と感じることが正直あります。

一方で、同じ作業が定期的に発生するようなルーティン業務については、キャスターさんとの相性はとても良いと感じています。

業務拡張と情報セキュリティ、その両立をどう実現したか

──導入後、社内で実際に使ってもらうまでにはハードルもあったのではないでしょうか?

石橋様: ありましたね。サービス自体を導入するよりも、“実際に使ってもらうこと”のほうが、最初のハードルだったと思います。社内に紹介すると関心は持ってもらえるのですが、「いいですね」「良さそうですね」で会話が終わってしまい、なかなか具体的な業務依頼にはつながらなかったんです。

そこで、抽象的に「使ってみてください」と伝えるのではなく、かなり具体的に声をかけるようにはしました。

たとえば、「古川さんだったら、こういう業務を一度お願いしてみたらどうですか?」といった形で、業務内容まで含めて名指しで提案する。そうすると、「じゃあ一回やってみようか」と、半ば背中を押される形で使い始めてもらえるんです。

齋藤様

イノベーション推進室 主任 齋藤様

──業務の幅が広がる中で、情報セキュリティとの両立はどのように対応されてきたのでしょうか?

石橋様: 情報セキュリティについては、導入当初から特に意識していました。NDAは締結していますが、すべての情報をリモート環境でそのまま共有できるわけではありません。最初は、こちらで内容を選別したうえで作業をお願いしていました。

ただ、業務が軌道に乗るにつれて、翻訳なども含めて依頼の幅が広がり、「リモートでは対応できないが、社内だけで抱え続けるのも難しい」業務が出てきました。

そこで、より厳格なセキュリティ管理が可能なサテライトオフィスを活用し、業務を切り分ける運用に切り替えました。
この体制を取ったことで、これまで外部には出せなかった業務についても、安心してお願いできるようになりました。

現在は、通常のリモート環境で対応する業務と、サテライトオフィスで対応する業務を切り分けながら運用しています。本当に機密性が高い情報については社員のみで対応しつつ、それでもできるだけ多くの業務を、社員が安心して外部に委託できるよう、情報セキュリティの観点からも対応可能な環境を広げていきたいと考えています。

業務代行ではなく、「前に進めるためのパートナー」

──最後に、CASTER BIZ assistantはどのような存在ですか?

石橋様: 少し個人的な感覚に近い話になりますが、子どものころに感じていた「両親の存在」に近いのかもしれません。

学生時代、自宅で生活していたころは、食事や洗濯を両親が担ってくれていたからこそ、学業に集中でき、さまざまなことに向き合う余裕があったのだと思います。
今のCASTER BIZ assistantも、安心感と信頼をもって支えてくれる“仕事上の家族”のような存在です。「この業務、最近進捗していませんが大丈夫ですか?」と声をかけてもらえることもあって(笑)、任せきりにするのではなく、伴走してもらっている感覚があります。