定型業務は外に、本質業務は内に。InsurTech企業のバックオフィス改革
畑 加寿也様、竜石堂 潤一様、西尾 恵美様、野口 美仁様

日本のInsurTech(インシュアテック)業界をリードする株式会社justInCaseTechnologies。少額短期保険を扱う事業でP2P保険(わりかん保険)など日本初の保険をリリースしてきたノウハウ・システムを生かし、大手保険会社にSaaS「joinsure」やマーケティング支援を展開しています。
同社はフルリモート中心の体制に加え、兄弟会社との一体運用(※2024年12月まで)という特殊な事情から、バックオフィスに“実質2倍”の負荷がのしかかっていました。属人化や郵送物処理、月初・月末の業務集中など課題は山積みでした。その解決策として選んだのが、CASTER BIZシリーズ(assistant/accounting)と会計・勤怠システムといったSaaSの最適な組み合わせです。業務の標準化・定型化・外部化を進め、社員が“考える仕事”に集中できる体制を実現しました。
今回は、代表取締役 畑 加寿也様、管理部 部長 竜石堂 潤一様、財務経理グループ マネージャー 西尾 恵美様、労務総務グループ 野口 美仁様の4名にお話を伺いました。
2社分50名の管理業務をひとりで担当。限界の中で出会った解決策
――まずは、導入の背景を教えてください。
西尾 恵美様(以下、西尾様):導入したのは2020年3月です。当時の社員数は10名ほどで、管理部は私ひとりしかいませんでした。ところが当時は兄弟会社と一体運用をしていたので、実際には2社分あわせて約50名規模の管理業務を1人で担っているような状況でした。毎月の締めや支払処理の時期は特に逼迫していて、いつ業務が滞ってもおかしくない綱渡りのような日々でした。
少人数で会社を成長させていくためには、管理業務を属人化させないこと、そして本来の仕事に集中できる体制を整えることが不可欠です。しかし、すぐに人を採用するのは難しく、派遣やインターンを安定的な戦力とすることも現実的ではありませんでした。
そこで外部リソースの活用を検討し、当時のTwitter(現:X)を通じてCASTER BIZ assistantに出会いました。幅広い業務を柔軟に依頼できる点に可能性を感じ、導入を決断しました。
――導入後、最初に依頼されたのはどのような業務だったのでしょうか。
西尾様:導入当初にお願いしたのは、比較的定型的で切り出しやすい業務です。具体的には、パソコンの機器導入や入室に必要な指紋登録の申請、名刺発注や登記簿謄本のオンライン取得といった事務処理です。さらに採用関連では、性格テストの手配や結果の取りまとめ、面談の日程調整なども含まれていました。
これらの業務の一部はもともとインターンの方に依頼していたのですが、稼働が不安定で私がカバーせざるを得ない場面も多かったので、安定的に稼働し、品質も担保できるCASTER BIZ assistantにお願いすることにしました。

写真左:財務経理グループマネージャー 西尾 恵美様、写真右:代表取締役 畑 加寿也様
契約・労務・経理から営業事務まで、多岐にわたるサポート
――CASTER BIZ assistant導入当初は月30時間の契約からスタートされましたが、現在は90時間にプランを拡大し、幅広くご活用いただいていると伺っています。現在依頼されている業務について教えてください。
竜石堂 潤一様(以下、竜石堂様):管理部の業務は多岐に渡りますが、法務ではクラウドサインを使ったオンライン契約締結の補助などをお願いしています。労務では勤怠チェックや打刻漏れのリマインド連絡・長時間勤務者への連絡、経理では請求書の受領から支払のワークフロー申請の登録までを依頼しています。さらに、現地対応(オフライン)のオプションを活用して、週に一度4時間ほど実際にオフィスに来ていただいて、各種郵送物をスキャンしてクラウドにアップロードしていただくなど、リモート環境では対応しづらい作業もサポートしていただいています。
契約締結や支払いのワークフロー申請対応もお願いしていますが、ツールとキャスターさんを組み合わせることによって、書類を受領してから承認フローを回して、経理処理を含めた実際の各種処理に至る一連の業務が効率的に運用できるようになりました。キャスターさんに入っていただくことで、「どこをツールに任せ、どこを人が担うべきか」と、人が担うところについて「定型作業でアウトソース可能か、判断が必要なので内製対応すべきか」を整理しながら業務設計ができるようになりました。
畑 加寿也様:私は会議や出張の日程調整をお願いしています。以前は自分で対応していましたが、キャスターさんにお任せすることで時間の余裕が生まれました。会議室の予約やスケジュールのカレンダー反映まで含めて一括でお願いできるのは非常に助かっています。
野口 美仁様(以下、野口様):私は営業事務も兼務しているのですが、そちらでも活用しています。たとえば、定例会議のアジェンダ作成や参加者へのリマインド連絡など、必ず発生するけれど負担になりやすいタスクをお願いしています。そのおかげで、突発的に発生する業務にも対応できるようになりました。
――CASTER BIZ assistant以外に、CASTER BIZ accountingも併用されているそうですが、それはどういう流れでしたか?
西尾様:最初はCASTER BIZ assistantで、契約書対応や勤怠チェック、請求書の取りまとめといった事務作業をお願いしていました。ただ、会社の規模が大きくなるにつれて、仕訳や会計処理など、より専門性の高い業務が増えてきました。そこで、会計領域についてはCASTER BIZ accountingを利用することにしました。
竜石堂様:会計の品質をさらに高める必要があったことも大きな理由です。経理担当が少人数の中で、仕訳や決算対応を正確に行うには経験や知識が欠かせません。キャスターさんの会計サービスでは、専門人材がプロの目線でチェックしてくれるので、安心感が格段に増しました。

写真左:管理部部長 竜石堂 潤一様、写真右:労務総務グループ 野口 美仁様
月初3日で30〜35時間をアウトソース。繁忙期の残業を大幅削減
――実際に導入されて、どのような効果を感じていらっしゃいますか。
畑様:私は午前と午後の1日2回、まとめてメールチェックを依頼しています。緊急性の高いものは自分で対応しますが、それ以外はキャスターさんに任せることで漏れなく迅速に対応できるようになりました。相手によっては日程調整リンクでは失礼に感じられる場面もありますが、アシスタントが間に入ることで自然かつ丁寧に調整が進み、安心して本来の業務に集中できています。
野口様:営業事務は私ひとりしかいなかったため、週3回行われる定例会議のアジェンダ作成をすべて担当していました。毎回必ず正午までにやらなければならないタスクで、代わりがいないために休みづらくもあり、時間的にも負担になっていました。
上長である竜石堂からは「どんどん属人化をなくしてキャスターさんに任せていこう」と言われていたこともあり、依頼することにしました。キャスターさんなら必ず期日を守って対応してくれる安心感がありますし、私が不在でも業務が滞らない体制が整いました。結果、アジェンダ作成から解放され、自分が本来取り組むべき業務にしっかり時間を使えるようになりました。
西尾様:キャスターさんがいてくれたからこそ、管理部門が軌道に乗ることができました。現地訪問(オフライン)オプションでは、オフィスで作業する際に細やかな配慮を感じています。たとえば郵送物をスキャンする際、個人情報やセンシティブな内容が見えないよう、必ず壁側の席に座って作業してくださるのです。指示されたことを行うだけでなく、安心感につながる心遣いを日々実感しています。
経理専門のCASTER BIZ accountingでは、より上流から経理経験者ならではの視点で助言をもらえています。「自分たちでは気づけなかった」アドバイスは本当にありがたいです。
竜石堂様:管理部門は月末・月初がどうしても繁忙期になります。例えば請求書の処理や支払申請の登録などが一気に集中し、業務負担が毎月数十時間単位で増大していました。昨年の11月から今年の7月までの実績を振り返ると、月初3営業日だけでキャスターさんが大体30〜35時間稼働していることがわかりました。社内ではとても吸収しきれない業務量を外部に担っていただいているおかげで、残業や逼迫が大幅に減っています。そのためだけに人員を揃える必要もなくなり、助かっています。
通常の派遣スタッフの方のほうがコストは割安かもしれません。ただ一方で、「決められた日・決められた時間までに必ずこの業務をやってほしい」という無茶なリクエストにも応えていただけるのがキャスターさんです。依頼内容に応じて適切なスキルや人数の作業者を柔軟にアサインできる仕組みがあるからこそ実現できているのだと思います。そうした観点では、単価以上のサービスを提供していただいていると強く感じています。
また、コミュニケーションの窓口となっているフロントさんの存在も非常に大きいです。Slack上で「こんな感じでお願いできますか」と大まかに依頼しただけでも、フロントさんが意図を汲み取って具体的な作業レベルに落とし込んでくれます。細かい指示を一つひとつ出さなくても、依頼がスムーズに業務化されるので、とても楽に感じています。
ツールと人の力で、効率と戦略性を兼ね備えたチームへ
――最後に、管理部門として今後どのようなチームを目指していきたいとお考えですか。
竜石堂様:管理部門には「決められた期日に、正確なアウトプットを出す」という使命があります。一方で、その多くは定型化・自動化が可能な業務です。本来であればERPのような高価な大企業向けシステムを導入すれば一気通貫で処理できますが、スタートアップでは現実的ではありません。だからこそ、私たちはシステムと人の力を組み合わせ、効率的に業務を回す体制を選んでいます。
定型化できる業務は積極的にアウトソースし、限られた社内リソースは「考える仕事」に集中する。そしてアウトソースで得られた余力をもとに、事業部にとってより有益な情報を提供し、経営や事業の意思決定を後押しできる存在になる。管理部門として、そうした付加価値を生み出すチームへ進化していきたいと考えています。
——本日はお忙しいところ、貴重なお話をいただきありがとうございました!
CASTER BIZ assistantでは、オンラインアシスタントサービスを展開しています。
2025年5月時点で累計5,700社以上の利用実績を誇るサービスです。
事務などのバックオフィス業務はもちろん、公式ホームページに記載がない業務でも、ご相談いただけます。
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株式会社justInCaseTechnologies