公開日 2024.08.29 更新日 2024.09.10

ヘルプデスクとコールセンターの違いは?業務内容も解説

ヘルプデスクとコールセンターは名前が異なるだけで、業務内容はほとんど一緒だと思われている方も多いのではないでしょうか?
この2つは混同されやすい職業ですが、具体的な業務内容や必要なスキルが異なります。

 

今回は、それぞれの業務内容や役割の違いを紹介します。
「問い合わせ対応を外注したいが、どちらを選べばよいかわからない」とお悩みの経営者様は、ぜひ最後までお読みください。

ヘルプデスクとコールセンターの対応範囲の違い

ヘルプデスクとコールセンターにはいくつか異なる点があり、まず対応するお問い合わせの範囲が異なります。

ヘルプデスクの対応範囲

ヘルプデスクとは、パソコンやシステムに関連するさまざまなお問い合わせに対応し、ユーザーの課題を解決する仕事を指します。

 

担当範囲は、自社の製品やサービスに関連する疑問といった、社内外からの問い合わせです。
問い合わせ内容は、自社製品の使い方からシステムにトラブルが発生した際の対応方法など、多岐にわたります。

 

なお、社内外の問い合わせに対応するとはいうものの、社員からの問い合わせに答える社内ヘルプデスクと、顧客からの問い合わせを受ける社外ヘルプデスクに分かれています。
そのため、社内か社外どちらかの対応を担うのが基本です。

コールセンターの対応範囲

コールセンターは、自社の製品やサービスに関係する社外からの問い合わせに対応します。

 

一般的に、顧客対応を目的として設置されているので、社内からの問い合わせには対応しません。
ただし、ごくまれに社内からシステムの不具合などの問い合わせが寄せられるので、そういった場合は代理でヘルプデスクに確認し、回答を共有することとなります。

ヘルプデスクとコールセンターの役割の違い

ヘルプデスクは顧客の課題解決を主な業務としている一方、コールセンターは問い合わせ対応や、新規顧客を獲得するための営業活動も併せて行います。
たとえば、ヘルプデスクではシステムや、製品に関する問い合わせを受けた際、使用できない原因や状況をまず確認します。
最終的に、それらが問題なく使用できる状態になるまで案内するのが、ヘルプデスクの役割です。

 

対して、コールセンターの役割は、テレフォン・アポイントメントや、テレマーケティングなどの営業活動で、顧客を獲得することです。

 

このことから、ヘルプデスクとコールセンターは、それぞれの役割が大きく異なることがわかります。

ヘルプデスクとコールセンターの業務内容の違い

ヘルプデスクとコールセンターの違いには、実際の業務内容も挙げられます。
ここからはそれぞれの業務内容について、詳しく紹介します。

ヘルプデスクが行う業務内容

ヘルプデスクは、問い合わせに対して自社の商品やサービスの使い方、トラブルの最適な解決方法を提供するのが主な業務です。

 

顧客のトラブルを解決する窓口として、相談内容をヒアリングしたうえで、必要に応じて操作をレクチャーします。
役割はあくまでも顧客の課題解決なので、コールセンターのような営業活動は行いません。

 

また、ヘルプデスクには社内デスクと社外デスクの2種類があります。
社内デスクは社員の疑問やトラブルを解決するために設けられており、社外デスクは顧客から寄せられる問い合わせに対応します。

以下に、社内デスクと社外デスクに寄せられる問い合わせ例をまとめました。

問い合わせ例
社内ヘルプデスク
  • パソコンなど機械設備に関する質問
  • システムのトラブル
  • 自社製品やサービスに関する質問
社外ヘルプデスク
  • 自社製品やサービスを使用するなかで発生したトラブル
  • 自社製品やサービスへのクレーム
  • 自社製品やサービスに関する質問

社内で発生したシステム関連の課題の解決も、ヘルプデスクの仕事の一つです。
したがって、自社の製品やサービスに対する専門知識も、頭に入れておく必要があります。

 

ヘルプデスクの主業務は、社内と社外いずれの場合であっても、製品やシステムの問題解決となります。

コールセンターが行う業務内容

コールセンターは問い合わせ対応だけでなく、架電業務も行います。

 

また、コールセンターの業務はインバウンド業務とアウトバウンド業務に分かれており、担当する仕事はさまざまです。
インバウンド業務は顧客からの問い合わせやクレーム対応、予約対応など幅広い仕事を担当します。
一方アウトバウンド業務とは、顧客に対して架電対応を行うことを指します。
自社製品やサービスの紹介、テレフォン・アポイントメントが具体的な業務例です。
インバウンド業務とアウトバウンド業務、それぞれの具体的な業務内容については、以下の表をご覧ください。

 

インバウンド業務とアウトバウンド業務の具体的な業務内容

業務内容
インバウンド業務
  • 自社製品やサービスに関する質問への対応
  • 自社製品やサービスに関するクレームの対応
  • 自社製品に関する返品や注文内容の確認
アウトバウンド業務
  • 自社製品やサービスの紹介
  • アンケートへの協力依頼
  • 電話によるアポイントメントの獲得

コールセンターは、顧客からの質問やクレームに対応するのはもちろん、自社製品やサービスの紹介、アンケートを行う役割も担っています。

ヘルプデスクとコールセンターに必要なスキルの違い

ヘルプデスクは、製品やサービスに関する技術的な知識はもちろん、ITツールやシステムを深く理解している必要があります。
たとえばシステムエラーなどのトラブルが発生した場合、そのシステムに精通していなければ、トラブルの原因を正しく把握できません。

 

その一方で、コールセンターは自社製品に関する幅広い知識や、顧客とのコミュニケーション能力、パソコンの基本的な操作スキルが求められます。
また、顧客の悩みをいち早く把握するためには、製品への幅広い知識も必須です。

 

ヘルプデスクとコールセンターの両者に共通して求められるスキルとしては、コミュニケーション能力や、ヒアリング能力が求められます。
相手が何に困っているのかを聞き出す能力や、解決方法を提示して納得してもらうために、適切に説明する能力も必要です。

ヘルプデスクやコールセンターを立ち上げる際のポイント

両者の違いがわかったところで、自社に設置すべき窓口はどちらか把握できたのではないでしょうか。
ここからは、自社内でヘルプデスクやコールセンターを立ち上げるときに押さえておくべきポイントを解説いたします。

 

【ヘルプデスクやコールセンターを立ち上げるときのポイント】

  • 電話・メール・チャットなど複数のチャネルを活用する
  • 人材確保・インハウス化の体制を整える
  • マニュアルを作成しサービス品質を担保する

いずれも欠かせない項目なので、しっかりと確認しましょう。

ポイント①電話・メール・チャットなど複数のチャネルを活用する

ヘルプデスクやコールセンターの窓口を設置する際は、電話やメール、チャットボットなど複数のチャネルを用意しましょう。

 

複数のチャネルがあると、お問い合わせする方がアクセスしやすい方法を選べるといったメリットがあります。
ただし、各チャネルの運用に気をつけなければ、「掲載されている情報がチャネルによって違う」「問い合わせページが見つけにくい」など、チャネルごとの問題が発生します。
したがって、複数のチャネルを導入する際は、情報の誤差がないよう定期的にアップデートすることが重要です。

ポイント②人材確保・インハウス化の体制を整える

ヘルプデスクやコールセンターをインハウスで円滑に運営するためには、優秀な人材の確保が欠かせません。

 

電話対応を行う職種は、人材不足に悩む場合が多く、離職率も高いことから、人材がなかなか育ちません。
オペレーターが不足している場合、教育に割くリソースも十分に確保できないので、対応の質が低下してしまうリスクが高くなります。

 

人材を確保する手段には、新規雇用があるのはもちろんですが、アウトソーシングするという手もあります。
他部署の従業員が兼任するという選択肢もありますが、本来のコア業務に集中できなくなるという可能性があることには留意しましょう。

ポイント③マニュアルを作成しサービス品質を担保する

ヘルプデスクやコールセンターを設置する際は、マニュアルを設けることで対応品質のばらつきを防止できます。

 

トラブル発生時の対応方法や、よくある問い合わせの内容などをまとめておくことで、担当者はスムーズな対応が可能になります。
また、担当者間で生じる回答の違いも均一化することで、一定の品質を保つことができるでしょう。

 

自社でマニュアルを作成するのが難しい場合は、作成をアウトソーシングするといった方法もあります。

ヘルプデスクと混合されやすい窓口一覧

コールセンターのほかにも、ヘルプデスクと混同されることの多い窓口はいくつかあります。

テクニカルサポート

テクニカルサポートは、主にソフトウェア製品や各種システムの技術的な問題に対する社外からの問い合わせに対し、電話やメールで解決のサポートを行う窓口です。
そのため、自社で取り扱っている製品に関する高度な知識が必要となります。

 

ヘルプデスクは社内外両方の問い合わせに答えますが、テクニカルサポートは社外のみの対応に限定されています。

 

問い合わせに一時対応したヘルプデスクからの依頼を受け、顧客対応するケースがほとんどです。
まずはヘルプデスクが顧客の照会に対応し、問題の解決が見込めない場合はテクニカルサポートへ引き継ぐのが一般的な流れとなっています。

カスタマーサポート

カスタマーサポートの担当範囲は、自社の製品やサービスを利用している顧客からの問い合わせに対し、電話やメールで解決策を案内することです。
ヘルプデスクとの違いは、カスタマーサポートは顧客からの問い合わせにのみ対応するといった点です。

 

製品やサービスにトラブルが発生したときや、顧客側で疑問が生じた際のアフターフォローを行うこともあり、企業によって“お客様窓口”とよんでいます。

 

カスタマーサポートのもとに届く問い合わせの内容はさまざまで、なかにはヘルプデスクやテクニカルサポートが対応すべき内容も含まれます。
解決が難しい場合は、それぞれの窓口へ引き継ぎを行うのが一般的です。
そのため、ヘルプデスクと同様に、パソコンやシステムに関する専門的な知識が求められます。

サービスデスク

社内からの問い合わせや、システムの不具合を対処する窓口を、サービスデスクといいます。
たとえば、「パソコンが急に動かなくなった」「メールが受信できない」といったITシステム全般の問い合わせに対応するのが、主な業務です。
ヘルプデスクと同じく、サービスデスクも幅広い問い合わせに対応する必要があるため、製品やシステムに関する高度な知識が求められます。

 

業務内容は、ヘルプデスクとさほど違いはありませんが、サービスデスクは問題解決のほかに、社内で検知されたアラートへの対応や、新商品の情報発信も行います。

社内SE

ヘルプデスクと社内SEは業務内容が一部重なっていることから、混同されるケースが多くあります。

 

社内SEの主な業務はシステムの構築や運用、保守、社内から寄せられた問い合わせに対応することです。
そのため、自らシステムの設計や保守を行うという点が、ヘルプデスクと大きく異なります。

 

また、社内SEの業務内容は多岐にわたり、サービスの企画から運用まで深く関われるのが特徴といえます。

 

ヘルプデスクは、ヒアリング力やコミュニケーション力が求められるのに対し、社内SEはプログラミングスキルやシステム開発に関する知識が必要です。

ヘルプデスクとコールセンターは、業務内容や役割が異なる

本記事では、ヘルプデスクとコールセンターの違いや、窓口を設置する際のポイントを解説しました。

 

ヘルプデスクとコールセンターは、業務内容は似ていますが、必要なスキルや役割が異なります。
ヘルプデスクは、自社の製品やシステムに関係する問い合わせに対応する一方、コールセンターの業務内容は自社製品の紹介など、営業活動も担うのが特徴です。

 

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