採用業務はどこまで外注できる?依頼する際の注意点を解説!
「採用業務は社員がやるべき」「外注すれば応募者に失礼にあたる」と、お考えのご担当者様もいらっしゃるかもしれません。
近年、外注できる業務は多様化しており、工数のかかる作業を委託することで、コア業務に注力できます。
そこで本記事では、外注できる採用業務の内容を、依頼する際の注意点とともにご紹介します。
採用業務の多忙さに翻弄されるなかで、経験豊富なプロの手を借りたいご担当者様は、ぜひ最後までご覧ください。
採用業務はどこまで外注することが可能か
採用業務は、採用計画から内定者フォローまで、採用代行(PRO)サービスを利用して外注することが可能です。
社員に依頼するのと異なる点は、契約書に記載されていない限り、突発的に発生するイレギュラー対応は代行してもらえないことです。
そのため、どこまで採用業務を任せるのか明確に決めておくことが求められます。
採用代行(RPO)サービスとは?
採用代行サービスとは、文字通り採用に関する業務の一部、あるいは全般を、代わりに実施する人材サービスのことです。
Recruitment Process Outsourcingの頭文字を取って、“RPO”ともよばれます。
先述した通り、採用代行サービス会社には、一般的な採用プロセス全般を依頼することが可能です。
以下で、採用代行サービスに依頼できる一般的な採用プロセスをご確認ください。
一般的な採用プロセスの例
採用計画 | 求める人材像や選考ごとの通過人数、採用方法などを検討する |
母集団形成 | 求職者を募る |
会社説明会 | 会社概要や業務内容など、求職者に対して自社をアピールする |
面接 | 対面またはオンラインで質疑応答を通じて適性や能力を確認する |
選考・内定 | 面接の結果をもとに、応募者の中から内定者を決定する |
内定者フォロー | 内定者の入社を促進するために、面談や懇親会などを実施する |
ほかにも、インターンシップの運営やスカウトメールの配信など、各社の採用プロセスに合わせて代行してもらえます。
採用業務が外注されるようになった背景
そもそも採用代行サービスが求められるようになった背景には、採用活動が時代とともに変貌を遂げたことが関係しています。
ここからは、採用代行サービスが広く活用されるようになった背景を見ていきましょう。
採用方法の多様化
採用業務が外注されるようになった背景として、採用方法が多様化したことが挙げられます。
昨今の採用方法は、面接にくわえて筆記試験やグループディスカッションが実施されるなど、企業によって千差万別です。
採用方法が多様化した要因には、新卒人口の減少が影響しています。
2024年の大卒求人倍率は1.71倍で、1人の学生に対し、約1.7件の求人があることになります。
つまり、企業の採用意欲が高まっているのに対して、新卒の数が足りていないわけです。
求人数が増えるなかで人材を獲得するには、自社のニーズに即した方法を模索しながら、求職者や時代に合わせた採用活動に取り組むことが求められているのです。
しかし、新しい手法を取り入れる場合には、採用そのものにくわえて、効果測定や応募者管理などに、手間や工数がかかります。
結果的に、採用担当者に膨大な業務量が課せられ、社員だからこそできる採用イベントの企画や、業務内容の説明などに時間を割けなくなってしまいます。
そこで、採用代行サービスを活用して、社員がコア業務に注力できる環境を整えることが求められているわけです。
採用活動の通年化・長期化
採用活動が、通年化・長期化したことも、採用業務が外注されるようになった要因の一つです。
新卒採用は売り手市場であるため、優秀な人材は複数の企業から内定を得ることが増え、企業においては、新卒採用だけに限らず、中途採用でも内定辞退のリスクが高まるといえます。
採用しても内定を辞退されて、予定していた採用人数が充足しなければ、通年または長期で採用活動を継続しなければなりません。
また、優秀な人材を獲得するためには、早期にインターンシップをはじめとする広報活動を実施し、大手企業よりも先に内定を出す必要も出てきます。
これにくわえて、少子化が深刻化していくなかで、新卒採用以外にも採用活動を広げる必要性を感じた企業が、通年採用に取り組むようになりました。
ほかの業務との兼ね合いを考慮すると、年間を通じて求人を出しつづければ、採用担当者の負担は計り知れません。
このような負担を軽減するために、採用業務の一部を外注できる採用代行サービスの需要が高まっているのです。
採用代行のメリット
採用活動の多様化や通年化など、近年の採用活動を取り巻く環境を踏まえたうえで、採用業務を外注するメリットを、3つ紹介します。
メリット①コア業務に集中できる
採用業務を外注すれば、採用担当者が注力したい業務にかける時間を、確保することが可能です。
一般的に採用担当者は、面接の日程調整や合否連絡、採用稟議の作成に加えて、採用イベントの企画や運営など、多様な業務に忙殺されます。
とはいえ、なかには応募者管理や選考の日程調整など、自社の採用担当者ではなくとも、問題なく遂行できる業務もあります。
これらを外注すれば、面接や内定者懇親会など、社員が直接手掛けるべきコア業務に専念できるわけです。
メリット②プロの知見を得られる
採用代行サービスを利用すれば、複数の企業の採用活動を援助してきた採用のプロから、客観的な視点と最先端なノウハウをもとに、採用課題を解決するための意見を得られます。
自社で実施した効果測定の結果だけでは、改善すべき業務の判断を誤り、課題を解決するまでに時間を要することがあるかもしれません。
また、採用市場の変化は目まぐるしく、常に情報が更新されるため、最新情報をキャッチできるかどうかが、戦略や施策を立案する際の鍵となります。
「応募数を増やしたい」「内定者辞退を防ぎたい」といった採用課題を、最短距離で解決するためにも、プロの知見を得られる採用代行サービスを活用されてはいかがでしょうか。
メリット③コスト削減につながる
数多くの採用を成功させているプロに業務を任せることで、自社だけで採用活動を実施するよりも、コストを抑えられるケースがあります。
熟練した採用代行サービス会社を利用すれば、最新の採用手法のなかから、自社に適した手段を合理的に判断してくれるため、採用のコストパフォーマンスを高められるでしょう。
また、サービスの利用にあたって、これまで利用していた就職・転職サイトやエージェントの運用を見直すことで、不要なコストを削減できます。
このように、採用業務を外注すれば、採用単価を下げて、コストパフォーマンスを高められるといった利点もあるわけです。
採用代行のデメリット
ここからは、採用代行サービスを利用するデメリットをご紹介します。
採用業務を外注する際の注意点としても、押さえていただけますと幸いです。
デメリット①費用がかかる
採用業務を外注すれば、当然ではありますが依頼した業務の分だけ費用がかかります。
採用業務全般を任せるようなかたちになればなるほど、想定以上に費用が積み上がることもあるでしょう。
依頼する業務の範囲や量、難度によっても費用は大きく異なるため、どこまで依頼するのかをよく吟味する必要があります。
とはいえ、費用対効果を重視し、多少コストがかかっても優秀な人材を獲得したい場合には、採用代行サービス会社の利用をおすすめします。
デメリット②ミスマッチにつながる可能性がある
採用代行サービスを利用するにあたって、採用業務を完全に任せきりにすれば、自社が求めていない人材の採用につながるおそれがあります。
採用代行サービス会社が、自社の文化や風土を理解し、ターゲットに対して共通認識をもつことは、難しいことです。
ペルソナの設定をヒアリングや文章を通して理解したとしても、社内の雰囲気や空気感までを把握するのには時間がかかります。
せっかく代行したにもかかわらず、教育に時間がかかったり、採用後すぐに離職されてしまったりすることがないように、外注する業務の精査が求められます。
関連記事:外注とは?業務委託の違いと業者選びのポイントを紹介
デメリット③認識のズレが生じる可能性がある
採用代行サービス会社と、十分なコミュニケーションが取れていない場合には、依頼内容の認識にズレが生じてしまう可能性があります。
担当者が社内に駐在してくれる採用代行サービス会社は限られるため、通常は電話やメールで、業務報告や相談事項などのやり取りが行われます。
その際、依頼内容が正確に伝達できずに、双方の認識に齟齬が生まれると、かえって工数がかかってしまうかもしれません。
以上を踏まえて、採用代行サービスを利用する場合は、依頼する業務内容の詳細やプロセス、報告頻度などをしっかりとすり合わせて、理解度を確認する必要があります。
関連記事:外注or内製?それぞれのメリット・デメリットを徹底比較!
採用業務を外注する際の料金体系
一般的に、採用代行サービス会社の費用の算出方法は、従量課金型と一律料金型の2つのパターンに分けられる傾向にあります。
従量課金型と一律料金型の算出方法を、以下で詳しく解説します。
従量課金型
委託できる採用業務ごとに細かく料金が設定されているなかから、自社に必要な業務だけを外注して支払う料金システムが、従量課金型です。
特定の業務に時間がかかっている場合や、課題を抱えている場合におすすめの支払い方法です。
従量課金型では、業務を外注する期間と、1件あたりの業務に対して費用が発生し、追加で依頼する場合は、そのぶん料金が加算されます。
これにくわえて、初期費用が発生する採用代行サービス会社もあります。
料金の一覧表は、各社の公式ホームページで閲覧できることが大半です。
依頼する業務のボリュームに応じて、前もって見積もりを依頼することで、正確な費用を算出することが可能です。
一律課金型
一律課金型とは、複数のプランやパッケージのなかから、自社が依頼したい内容に合ったものを選択する料金システムのことです。
決められた業務の範囲内であれば、追加料金なしで委託できます。
基本的には1ヶ月・3ヶ月・半年・1年の契約期間が設けられ、契約期間が長くなるほど月額料金は安くなります。
一律課金型の利点は、追加料金が発生しないことから、あらかじめ決められた予算内に納められることです。
また、サービスによっては、採用戦略から内定者フォローまでカバーされているため、一から採用ノウハウを得たい場合にもおすすめです。
ただし、依頼する業務量が少なくても、減額されることはありません。
そのため、依頼する業務のボリュームが多いケースに、合理的な料金システムです。
採用代行サービスの選び方
ここからは、実際に採用代行サービス会社を選定する際に、押さえておきたい項目をお伝えします。
求めているサービスがあるか
採用代行サービスの提供プランによって、依頼できる業務が異なるため、自社が希望している業務が含まれていることを事前に確認しておきましょう。
まずは自社の解決したい採用課題を明確にし、それに合ったサービスや情報提供を得られる採用代行サービス会社を選ぶことが重要です。
次に、対応できる業務の種類だけではなく、採用管理ツールや適性検査など、自社が用いる採用システムへの対応の可否も見極めておくとよいでしょう。
自社で取り入れている採用システムや、採用方法に適応できるかどうかで、採用担当者の工数も大きく変わります。
くわえて、多くの採用システムに対応できる採用代行サービスなら、豊富な経験値を有していると推測できます。
採用代行サービス会社の提供するサービス内容を入念に確認することで、採用担当者が抱える負担の軽減につながるはずです。
十分な実績があるか
サービスの質や信頼性が担保されている採用代行サービス会社を選定するためには、導入社数だけではなく、業種や職種ごとの採用実績を確認することが大切です。
事務職の採用が得意な採用代行サービス会社でも、営業職やエンジニアの採用で同じように成果が出せるとは限りません。
業種や職種が異なれば、使用する求人媒体も変わるため、導入事例から各採用代行サービス会社の得意とする業種・職種を見極めましょう。
初めて採用代行を活用するのであればなおのこと、自社が属する業種や職種において十分な実績があるか、同じ企業規模の実績があるかどうかも確認するポイントです。
意思疎通がとれるか
採用業務を外注するうえで、採用代行サービス会社との連携は不可欠な要素となるため、担当者と問題なくコミュニケーションが取れるかどうかを調べましょう。
採用代行サービス会社の営業時間や休業日などを参照することで、日頃のコミュニケーションだけではなく、急な連絡にも対応できるかを確認できます。
そうすることで、急なマニュアルの変更や、採用条件の変更などにすぐ対応できる採用代行サービス会社を選ぶことが可能です。
また、採用活動では、応募者や内定者との日程調整やメッセージのやり取りを頻繁に行います。
自社の採用活動においてSlackやChatworkといったチャットツールを使用している場合、採用代行サービス会社でも同様に扱えれば、採用業務がスムーズに進みます。
対応可能な時間や連絡手段をチェックして、柔軟に対応できる採用代行サービス会社を見分けましょう。
採用代行サービスを依頼する際に気をつけたい注意点
採用代行サービスを効果的に活用していただくために、あらかじめ押さえておきたい注意点をご紹介します。
注意点①自社のルールとの照合
採用業務を委託する前の確認項目として重要なのが、自社のルールとの照合です。
ここを事前に押さえられれば、業務開始後の認識のズレや、トラブルを防止することができます。
採用業務では、会社ごとに細かくルールが設定されています。
自社のルールと採用代行サービス会社のルールがあまりにも異なる場合、採用担当者が調整することになれば、余計な工数がかかってしまい元も子もありません。
また、採用業務以外にも、支払方法や契約書の締結方法などのルールにも合わせてもらえる、もしくは合致したサービスを提供してもらえるのかを確認しましょう。
注意点②見積もり内容の文章化
見積もりを取る際は、電話を用いた口頭でのやり取りは避け、必ず文書やメールなどに残しましょう。
依頼できる業務内容が細かく分かれている採用代行サービスでは、見積もりが複雑になることが少なくありません。
各サービス内容にかかる料金が曖昧なまま進めると、支払いの際に、お互いの思い違いで想定以上の費用を請求されてしまう可能性があります。
そのため、見積もりを取る際には、それぞれの業務に必要な費用を明確にし、きちんと記録に残る方法で提示してもらうことで、未然にトラブルを防ぐよう心がけましょう。
注意点③進捗や情報共有方法の確認
長期間にわたる採用業務においては、外注したあとも、進捗確認や状況把握、情報共有を欠かすことはできません。
進捗や情報を共有する方法と頻度も、あらかじめ確認しておきましょう。
新規の依頼や細かいニュアンスを伝えるときは電話を、数回のやり取りで完結するときはチャットを使うなど、状況や内容に応じて連絡手段を使い分けるのも一案です。
また、長期間にわたってサービスを利用する場合には、対面での打ち合わせを定期的に実施すれば、円滑にやり取りを進めることが可能です。
主な採用代行サービス会社
ここからは、採用代行サービスを提供している主な会社を5つご紹介します。
株式会社キャスター
まずご紹介する採用代行サービス会社は、リモートを活用したサービス提供を強みとし、地域を問わず24時間365日、採用代行を支援している株式会社キャスターです。
2024年10月時点で累計5,000社以上の導入実績を誇っています。
サービス内容は、戦略のプランニングから採用者の入社に必要な労務事務まで多岐にわたります。
母集団形成においては、スカウトメール配信や求人媒体の運用、人材紹介会社とのやり取りまで、代行可能です。
また、プラン内で採用管理ツールが提供されているのも、魅力の一つです。
レジェンダ・コーポレーション株式会社
レジェンダ・コーポレーション株式会社では、1996年に創業してから20年以上にわたり、採用と人事の経験・実績を積み上げています。
新卒採用や教育の外注事業を皮切りに、中途採用やパート・アルバイト採用に関するほぼすべての分野を網羅し、これまでの支援企業数は実に700社を超えています。
また、新しい技術も積極的に取り入れ、常に先駆者であり続けている企業でもあり、自社に常駐して支援してもらうことも可能です。
さらに、臨機応変に対応できるプロセス設計と管理体制も魅力です。
株式会社トライアンフ
レジェンダ・コーポレーションとならぶ老舗の採用代行サービス会社は、株式会社トライアンフです。
導入企業は、大手企業を中心に800社以上を誇ります。
自社の採用背景や改善したい課題を理解したうえで、採用戦略やマーケットの変化に柔軟に対応できる採用チームを提供してもらえます。
このようなチームが、戦略から採用実務までをワンストップで支援してくれるだけではなく、リモート型と常駐型から支援体制を選択することが可能です。
さらに、労務管理をはじめとする人事領域全般の業務を代行できるのも強みの一つです。
株式会社キャリアマート
株式会社キャリアマートでは、キャリア19年の実績をもとに、採用代行サービスを主軸に新卒・中途採用に関する多様な採用支援サービスを提供しています。
年間支援社数は680社で、規模や業界を問わず、さまざまな企業に利用されています。
創設当初からの実績をもとに、スカウトメール配信や応募者管理など、ターゲットに合わせた採用管理システムを提案してくれます。
また、他社からの乗り換え時には前年の採用状況を無料で分析し、自社に適した採用プランを見出してくれる点もうれしいところです。
株式会社ネオキャリア
グループ全体で採用代行から人材紹介や人材派遣まで、人事領域を総合的にサポートしている採用代行サービス会社をお探しであれば、株式会社ネオキャリアがおすすめです。
大手企業だけではなく中小企業にも対応してきたことで、5,000社以上の支援実績を誇ります。
3つの大型コールセンターを保有しているため、緊急時でも採用者と連絡が途切れる心配はありません。
くわえて、応募受付から30分以内で面接を設定できることにくわえて、土日祝や夜間でも即時対応できる迅速さが強みです。
株式会社ネオキャリアを利用すれば、応募者を取りこぼすことなく、信頼も得られること間違いなしです。
採用業務を外注して採用担当者の負担を軽減させよう!
今回は、採用代行サービス会社に外注できる採用業務の内容や、依頼する際の注意点をお伝えしました。
採用業務は、採用計画から内定者フォローまで、採用代行(PRO)サービスを利用して外注することが可能です。
採用が多様化・長期化・通年化している今、工数のかかる作業を委託することで、コア業務に注力できます。
採用代行サービスを利用する際は、提供するサービス内容や、業種・職種にあった実績、対応可能な時間を確認して効率化を図りましょう。
株式会社キャスターのオンライン秘書のCASTER BIZ assistantでは、求人媒体の運用から応募者対応まで、あらゆる採用業務をサポートします。
求める人材獲得に向けたご相談・ご依頼を心よりお待ちしております。