業務委託と派遣の違いを企業向けに比較|指揮命令権と偽装請負の境界線

業務委託と派遣の大きな違いは、作業者へ誰が指揮命令をするかです。派遣では派遣先が指示を出し、業務委託では受託側が自ら管理して業務を行います。
契約名だけを変えて同じ運用を続けると、偽装請負などの問題が生じるおそれがあります。この記事では、契約・責任・期間・費用の違いと、自社の業務に合う方法を選ぶ判断基準を整理します。
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業務委託と派遣の違いを7項目で比較|契約形態・指揮命令・報酬・責任・期間制限・社会保険・契約書
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比較項目 |
業務委託 |
労働者派遣 |
|---|---|---|
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契約 |
請負・委任・準委任など |
労働者派遣契約 |
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指揮命令 |
受託側が自ら管理 |
派遣先が派遣労働者へ指示 |
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料金 |
月額・時間・件数・成果など契約による |
派遣会社との契約による |
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責任 |
完成義務や善管注意義務など契約内容による |
派遣元・派遣先それぞれに法令上の責任 |
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期間 |
派遣の3年ルールは適用されない |
原則3年の制限あり。例外・延長手続きあり |
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雇用・保険 |
受託企業が雇用する場合は受託企業が対応。個人事業主は別途確認 |
雇用主である派遣元が対応 |
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書面・運用 |
対象業務・報酬・品質・責任分担・指示系統など |
派遣契約・管理台帳・抵触日通知など |
最大の違いは指揮命令の所在

派遣では、派遣先が契約範囲内で業務の指示を行います。業務委託では、依頼内容や納期、品質条件を受託側と合意し、受託側が作業者への指示や配置を決めます。
発注側が受託者の従業員へ日々の作業の割り付け、残業、休暇などを直接指示する運用は注意が必要です。ただし、会話や情報共有をすべて禁じる意味ではありません。
厚生労働省の37号告示の疑義応答集では、具体的なケースに即して整理されています。
ただし、指揮命令者であっても、派遣会社との契約外の業務は派遣社員に指示してはいけません。
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業務委託の契約類型と労働者派遣の許可
業務委託には、仕事の完成を目的とする請負、法律行為を委託する委任、法律行為以外の事務を委託する準委任などがあります。
準委任でも成果に応じた報酬を定める場合があり、報酬の計算方法だけで契約類型は決まりません。労働者派遣事業には許可が必要です。
契約を結ぶ際は、業務委託か派遣かの区分だけでなく、相手方が必要な許可を持っているかも確認します。基本は厚生労働省の派遣・請負の適正化ガイドを参照してください。
偽装請負とは?契約書と実際の運用のずれに注意
偽装請負とは、契約では請負などとしながら、実際には発注者が受託側の労働者を指揮命令するなど、労働者派遣に当たる状態をいいます。
形式上の責任者を置いても、発注側の指示をそのまま伝えるだけでは問題が解消しない場合があります。契約書と現場の運用の両方を確認しましょう。
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37号告示の判断基準|発注企業がやってはいけない指示・管理のチェックリスト

37号告示では、受託側が労働力を自ら管理・利用していることと、業務を事業として独立して処理していることが判断の軸になります。
発注側は、作業の遂行方法、労働時間、配置、服務規律の管理が受託側で行われているかを確認します。設備や資金、事業上の責任、専門性なども関係するため、連絡窓口を一本化するだけで適法になるわけではありません。
違法派遣の受入れと労働契約申込みみなし制度
無許可派遣や偽装請負などの違法な派遣を受け入れた場合、派遣元だけでなく派遣先にも影響があります。一定の要件では、派遣先が労働者へ労働契約を申し込んだものとみなされる制度があります。
ただし、違法派遣に該当することを知らず、知らなかったことに過失がない場合は除かれます。適用の有無は事実関係に基づくため、疑わしい運用があれば労働局や専門家へ確認しましょう。
二重派遣の禁止|受け入れた派遣社員を取引先に出すと職業安定法違反になる
受け入れた派遣労働者を別の企業へ送り、その企業の指揮命令下で働かせる運用は、いわゆる二重派遣として問題になります。
再委託も、契約を結べば自由に他社の従業員へ直接指示できるわけではありません。契約上の委託先、実際の雇用主、現場の指揮命令者を整理し、再委託の可否と管理責任を確認します。
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派遣の3年ルールと抵触日|業務委託への切り替えで注意すべきこと
派遣には、事業所単位と個人単位の期間制限があります。事業所単位は原則3年で、延長する場合は過半数労働組合等への意見聴取が必要です。
個人単位では同じ派遣労働者を同一の組織単位で受け入れられる期間が原則3年となります。無期雇用派遣や60歳以上などの例外もあります。
抵触日は制限に抵触する最初の日を指します。詳細は厚生労働省の受入れ期間制限の資料で確認してください。
上限が近いことを理由に、指示の出し方を変えずに業務委託へ切り替えるのは避けましょう。一方で、派遣契約で生じる年間約360万円のコスト負担や柔軟性の制限に課題を感じ、指揮命令系統を整理したうえでチーム型業務委託へ移行する企業も存在します。
IT・SaaS事業を展開するウイングアーク1st株式会社様(従業員数680名規模)では、ツール柔軟対応が可能なCASTER BIZ assistantに人事労務業務を切り出すことで、毎月30時間発生していた業務を削減し、組織開発という新企画の立ち上げに注力できる体制を実現しています。
・参照事例: 多様かつ高度になりゆく人事業務のサポート役。柔軟に対応してくれる稀有な存在| キャスタービズオンラインアシスタント
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費用の違い|業務量と社内の管理工数をそろえて比較
厚生労働省の令和6年度労働者派遣事業報告書集計結果(速報)では、派遣料金の全業務平均は8時間換算で26,257円(税込)、一般事務従事者は18,112円(税込)です。
8時間×20日と仮定すると、それぞれ525,140円、362,240円になります。職種を横断した統計や全国平均は、個別の見積額とは異なります。
業務委託と比較する場合も、同じ業務量・品質・対応時間にそろえ、社内で必要な確認作業まで含めて判断します。
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派遣料金と労働者の賃金の違い

派遣会社へ支払う料金と、労働者に支払われる賃金は同じではありません。料金には社会保険料の会社負担、募集・教育などの費用、運営費や利益などが含まれます。
統計上の平均料金と平均賃金の差額を、そのまま個々の会社の利益率と捉えないことが大切です。また、派遣先にも現場での指示、就業管理、安全衛生などの役割が残ります。
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業務委託の料金体系と契約条件
業務委託には月額固定、時間単価、処理件数単価、成果報酬などがあります。成果物の制作数に応じた料金と、アポイント獲得などの成果に連動する料金は区別して確認します。
初期費用、超過料金、修正範囲、契約終了条件も見積もりに含めましょう。フリーランスへ発注する場合の取引条件や支払義務は、後述の法令上の要件も確認します。
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業務委託と派遣のどちらを選ぶべきか|発注企業の判断基準5つ
最初に確認するのは、現場で作業者へ直接指示する必要があるかです。続いて、業務範囲を切り出せるか、必要な専門性があるか、業務量と期間はどの程度か、社内でどこまで管理できるかを検討します。
情報へのアクセスはどちらにも必要になる場合があり、機密情報を扱うという理由だけで派遣に決めるものではありません。
3年を超える業務でも派遣には例外があるため、期間だけで機械的に選ばないようにしましょう。
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判断する軸 |
確認する内容 |
|---|---|
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指揮命令 |
現場で直接指示する必要があるか |
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成果・品質 |
完成義務か事務処理義務か、確認基準は何か |
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支払い |
時間・件数・成果のどれを料金に反映するか |
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体制の継続 |
担当交代や不在時に業務を継続できるか |
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管理負担 |
勤怠・教育・安全衛生・品質管理の役割をどう分けるか |
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業務委託が向いている業務/派遣が向いている業務とグレーになりやすい業務
記帳補助、請求書発行、採用事務、資料作成などは、対象範囲と確認基準を決めることで業務委託を検討しやすい仕事です。
日々の優先順位を現場から直接指示する必要がある場合は、派遣が候補になります。ただし、業務委託がオンライン限定、派遣が出社限定という区分ではありません。
常駐かリモートかにかかわらず、指揮命令と管理責任を実態に合わせて設計します。
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フリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)への対応|2024年11月1日施行
個人事業主などへ業務委託する場合は、労働者派遣法とは別に、フリーランス法への対応が必要です。正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」で、2023年5月12日に公布され、2024年11月1日に施行されました。
対象となる特定受託事業者は、業務委託の相手方である事業者のうち、従業員を使用しないものです。
個人だけでなく、役員が代表者1人のみで従業員のいない法人も含まれます。
発注側の義務は、自社が従業員を使用しているかどうかで変わります。
すべての発注事業者:第3条にもとづき、業務委託をしたら直ちに、給付の内容・報酬の額・支払期日などを書面または電磁的方法で明示します。
従業員を使用するなどの要件を満たす特定業務委託事業者:第4条の支払期日の設定(給付を受領した日から60日以内で、できる限り短い期間内)、第12条の募集情報の的確な表示、第14条のハラスメント対策の体制整備が加わります。
特定業務委託事業者による1か月以上の業務委託:第5条により、受領拒否・報酬の減額・返品・買いたたき・購入や利用の強制・不当な経済上の利益の提供要請・不当な給付内容の変更ややり直しが禁止されます。
対象となる発注事業者による6か月以上の業務委託:第13条の育児や介護などとの両立への配慮、第16条の中途解除や不更新の原則30日前までの予告が求められます。
これらの義務には適用要件や例外があります。取引の公正さに関するルールを守ることと、派遣・請負の区分を適切にすることは別の確認事項です。
フリーランス法に沿った書面を作っただけで、労働者性や偽装請負の問題が解消するわけではありません。
適用範囲と義務は、公正取引委員会のフリーランス法の案内で確認できます。
指揮命令が要らない定型業務は、チーム型の業務委託という選択肢|CASTER BIZ assistant
複数の事務をまとめて外部に任せる方法として、チーム型のオンラインアシスタントがあります。例えば上場企業である株式会社ピアラ様(101人~500人規模)では、月次決算に8〜9営業日かかっていた課題を業務委託化で解決し、月次決算スピードを2分の1(3〜4営業日短縮)にまで効率化しました。
直接的な指揮命令を行わない枠組みであっても、チェック体制と運用フローを適切に設計することで、高いクオリティでの業務継続が可能になります。
・参照事例: 月次決算スピードが2分の1に短縮!訪問もできるキャスタービズオンラインアシスタントだから実現できた業務効率化
CASTER BIZ assistantは、秘書・事務・経理などの業務をオンラインで支援するサービスです。
BASICプランは月30時間で、12か月契約が月額120,000円(税抜)・132,000円(税込)、6か月契約が月額132,000円(税抜)・145,200円(税込)です。
業務量に応じて設計するCUSTOMプランもあります。
対応範囲や稼働時間の数え方は、依頼内容を整理して相談しましょう。CASTER BIZ assistantの料金プランとCASTER BIZ assistantのサービス内容で条件を確認できます。
なお、業務委託として依頼する場合も、作業手順や勤務時間を細かく指示すると偽装請負にあたるおそれがあります。
契約書の内容と指示の出し方を、導入前にあらかじめ整理しておきましょう。
ほかのサービスと比較したい場合はオンラインアシスタント比較30選、バックオフィス業務を外部に任せる考え方はバックオフィス代行の選び方もあわせてご覧ください。
導入事例|産休に伴う急な欠員・1ヶ月の引き継ぎ期間を業務委託で乗り越えたiDA
人材事業を展開する株式会社iDA様(101人~500人規模)では、求人媒体への入稿管理担当者の産休に伴い、1ヶ月という短期間で業務を引き継ぐ必要がありました。
派遣や新たな採用では稼働開始が間に合わない状況の中、CASTER BIZ assistantの導入コンシェルジュを活用してわずか1ヶ月でスムーズな引き継ぎを完了。
毎日の入稿作業から解放されただけでなく、マニュアル化による業務標準化と属人化解消を同時に実現しています。
・参照事例: オンラインで本当に仕事できる?——アウトソーシングへの不安はCASTER BIZ導入コンシェルジュで解決 | キャスタービズオンラインアシスタント
動画制作などの事業を展開するCrevo株式会社様は、人事や総務関連を任せられる人材の採用を進めていました。
しかし、内定から稼働までにタイムラグが生じて、業務に支障が出ることからCASTER BIZ assistantへの外注化を決断。
オンラインでのやり取りに不安があったものの、自社の社員と同じように円滑なコミュニケーションがとれたと実感しています。