間接部門とは?直接部門との違い・職種一覧・適正コストの考え方

「自社の間接部門は人数が多すぎるのだろうか」「間接部門のコストをどう評価すればいいのか分からない」——このような判断に迷っている経営者や管理部門長、経営企画の方に向けた記事です。
間接部門という言葉の意味そのものはご存じの方が多いはずです。
本記事では定義の説明を前半で短く切り上げ、後半では「では、どう判断すればよいのか」という実務的な問いに答えます。
定義と呼び分け、会計上の位置づけ、含まれる職種、抱えやすい課題、適正規模、「減らす」以外の選択肢という流れで整理したうえで、最後に「いらないのか」「何を外に出すか」「どう下げるか」という3つの問いに分けて掘り下げます。
間接部門とは
間接部門とは、営業や製造のように売上を直接生み出すのではなく、企業活動を社内向けに支える部門を指します。
まずは直接部門との違いと、似た言葉との呼び分けを整理しておきましょう。
直接部門との違い|売上に直接関わるか、間接的に支えるか
直接部門とは、営業・製造・開発など、売上に直接つながる部門です。
間接部門は、経理・人事・総務・法務・情報システムなど、社内向けに機能を提供し、売上には直接紐づかない部門を指します。
両者の違いは次のとおりです。
| 観点 | 直接部門 | 間接部門 |
|---|---|---|
| 役割 | 売上・利益を生み出す | 社内機能を支える |
| 売上との関係 | 直接つながる | 直接つながらない |
| 評価のしやすさ | 数値で測りやすい | 数値化しにくい |
| コストの計上先 | 売上原価に近い | 主に販管費 |
「バックオフィス」「管理部門」「庶務」との呼び分け
間接部門と近い言葉に「バックオフィス」「管理部門」「庶務」がありますが、範囲は少しずつ異なります。
最も広い概念が「間接部門」で、そのうちコーポレート機能に近い部署が「管理部門」です。
「バックオフィス」は金融業界の「フロント(営業)」「ミドル(管理)」「バック(事務処理)」という分類に由来し、事務処理・管理業務という機能面に着目した呼び方です。
「庶務」はさらに狭く、日常的な事務処理の実務を指します。
「間接部門」に会計上の定義はない|間接費・販管費との違い
「間接部門」「管理部門」「バックオフィス」は、いずれも会計基準や法令上の定義がない実務用語です。
コスト管理を考えるうえで、この前提は見落とされがちですが重要です。
一方、「間接費」は原価計算基準に定義がある概念です。
同基準は製造原価要素(八)に加え販売費および一般管理費の要素(三七)でも直接費・間接費を分けており、実務で「間接費」といえば製造間接費を指すことが多い言葉です。
また「販売費及び一般管理費(販管費)」は、企業会計原則および財務諸表等規則第84条に定義がある表示区分であり、原価計算基準では期間原価として扱われます。
したがって、「間接費=販管費」も「間接部門のコスト=販管費」も厳密には誤りです。
販管費には営業部門の人件費や広告宣伝費なども含まれており、間接部門の人件費だけを指すものではない点を押さえておきましょう。
間接部門に含まれる職種・業務の一覧
間接部門には、具体的にどのような職種が含まれるのでしょうか。
代表的な部署を一覧で整理します。
総務/人事/経理・財務/法務/情報システム/広報/購買
| 部門 | 主な業務 |
|---|---|
| 総務 | 庶務全般、備品・設備管理、社内規程の整備 |
| 人事 | 採用、労務管理、評価制度の運用 |
| 経理・財務 | 記帳、決算、資金管理 |
| 法務 | 契約審査、コンプライアンス対応 |
| 情報システム | 社内システムの構築・運用、セキュリティ管理 |
| 広報 | 対外的な情報発信、メディア対応 |
| 購買 | 発注、仕入先管理、コスト交渉 |
各業務の詳細は、記帳代行や人事労務代行、総務アウトソーシングを扱う別記事もご参照ください。
なお情報システム部門は、DX推進の主体として「守り」から「攻め」へと位置づけが変わりつつあり、一律に間接部門と語りにくくなっています。
部門をまたぐ「誰の仕事でもない業務」
申込対応、名簿管理、問い合わせの一次受け、資料作成、日程調整、議事録作成など、どの部門の担当とも決まらないまま誰かが引き受けている業務があります。
例えばソルドアウト株式会社様では、全国拠点の営業サポートや提案資料の集計整形工数を外部へ委託したことで社内工数を削減し、営業メンバーの提案数拡大を実現しています。
・参照事例: ソルドアウト株式会社様|オンラインアシスタント導入事例
この論点は後段の『【問い2】間接部門の業務一覧と、どこから外に出すか』で詳しく扱います。
間接部門が抱えやすい3つの課題

間接部門には、業種や規模を問わず共通して現れやすい3つの課題があります。
成果を数字で示しにくい
売上に紐づかないため、貢献度が可視化されにくく、人事評価もKPI設定も難しくなりがちです。
会計上も販管費として一括計上されることが多く、部門単位の費用対効果が見えにくい構造があります。
成果を測る指標を自前で設計する必要がある点も、負担を大きくしている要因です。
景気が悪化すると真っ先に削減対象になる
成果が見えにくいぶん、コスト削減が必要な局面で最初の対象になりやすい傾向があります。
人員が減った分の業務は他部署や少人数の残ったメンバーに寄せられがちで、削減した結果どうなるかは、後段の『【問い1】「間接部門はいらない」と言われたとき、何を考えるべきか』『【問い3】間接部門のコストを下げる、正しい順番』で扱います。
属人化しやすく、担当者が抜けると止まる
手順が言語化されないまま特定の担当者に業務が集約されやすく、退職や休職で業務が止まるリスクがあります。
例えば三井不動産株式会社様のオンラインアシスタントの事例では、営業のKintone運用やデータ処理の属人化に対し、マニュアル作成サポートとデータ処理代行を活用することで属人化を解消し、スムーズなリモートワーク推進を実現しました。
間接部門の適正規模をどう考えるか
「自社の間接部門は多すぎるのか」を考えるうえで、押さえておきたい視点が2つあります。
人件費を固定費として抱えることの意味
間接部門のコストを考える際に最も重要な視点です。
給与のほかに、会社が負担する法定福利費(協会けんぽ・厚生年金・雇用保険・労災の合算で、給与のおおむね15%を超える水準と編集部で試算しています。令和8年度・東京都・一般の事業・40歳未満の料率による概算で、子ども・子育て拠出金は含みません)や、採用費・教育費が固定的に乗ってきます。
つまり、業務量が減っても人件費そのものは減らないという構造があります。
繁忙期に合わせて人を雇えば閑散期には手が余り、逆に閑散期基準で人数を抑えれば繁忙期に対応しきれません。
正社員1名の実質コストを把握しておくと、この構造がより具体的に見えてきます。
この点が、次章で扱う「固定費を変動費に変える」という発想の出発点になります。
業種・企業規模による違い
間接部門の比率には外部のベンチマーク調査がありますが、対象と定義に注意が必要です。
デロイトの調査(「要員・人件費の生産性に関するベンチマーク調査&診断 2025・2026年版」有効回答147社)では、間接機能比率の中位値は全体11.8%、製造業11.0%、非製造業14.3%です。
ただし前回の2023・2024年版は製造業11.7%、非製造業10.0%と逆転しており、業種による恒常的な差とは言えません。
参加企業も売上1,000億円以上が61社と大企業層が中心で、中小企業の基準にはできません。
従業員10人と1,000人の会社では「間接部門」の実態そのものも異なります。
間接部門を「減らす」以外の選択肢

間接部門のコストに向き合うとき、選択肢は「人を減らす」ことだけではありません。
ここでは3つの手段を提示します。
この先は、間接部門が直面する3つの問いに分けて掘り下げます。
①社内で効率化する/②ツールで自動化する
1つ目は、業務の棚卸しや手順の標準化、承認フローの簡素化といった社内での効率化です。
ただし、この効率化を進める工数自体を当の間接部門が負担しなければならない点が制約になります。
2つ目は、クラウド会計や勤怠管理システムなどを導入し、定型業務を自動化する方法です。
効率化の5つのステップも参考になります。
③外部に出して、固定費を変動費に変える
3つ目は、業務を部門として抱え込まず、業務単位で外部に渡す方法です。
固定費だった人件費を変動費化できるため、繁閑差のある業務ほど効果が大きくなります。
株式会社TVer様では、営業メンバーが請求データの突合や資料作成といったバックオフィス業務に毎月20時間費やしていました。
これらの業務をCASTER BIZ assistantへ委託し、間接業務から解放され商談に集中できる環境を整えた結果、商談数が増加し「売上倍増」を達成しています。
ベースフード株式会社様では、急成長のなかで担当者を新規採用せず、CASTER BIZ assistantでリサーチや発注代行を変動費として運用し、人件費を抑えつつ売上規模の拡大を実現しています。
株式会社メルカリ様でも、経理処理や慶弔手続などの庶務業務を外部化し、正社員がコア業務に集中できる体制を築いています。
月30時間から秘書・事務・経理サポート・人事・翻訳・制作まで複数領域をチームで受けられるCASTER BIZ assistantや、AIの運用ごと任せられるCASTER NEO Assistantは、固定費のリスクを抱えずに間接部門を運用する現実的な選択肢です。
料金プランは、契約期間や依頼内容に応じて選べます(表示は税抜。最低契約期間は料金プランページでご確認ください)。
【問い1】「間接部門はいらない」と言われたとき、何を考えるべきか
「間接部門はいらない」と言われる背景には、成果が数字で見えないことと、人件費が固定費として乗り続けることがあります。
ただし、デロイトの調査の全体中位値では、間接機能比率はむしろ2023・2024年版の11.3%から2025・2026年版で11.8%へ上昇しており、日銀短観の2026年6月調査(日本銀行「全国企業短期経済観測調査」、対象9,141社)でも中小企業・非製造業の雇用人員判断DIはマイナス46(マイナスは不足超を意味します)と人手不足が続いています。
また法令対応・支払・労務など、止まれば事業が止まる機能はそもそも無くせません。
つまり「いらない」のは部門そのものではなく、その機能を固定費として抱え続けることです。
削減が失敗するパターンやAIによる代替可能性は、別記事「間接部門はいらないのか」で解説しています。
【問い2】間接部門の業務一覧と、どこから外に出すか
業務を外に出せるかどうかは、意思決定を伴うか、社外に出せない情報を扱うか、手順書にできるか、発生量が読めるかという4つの軸で判断します。
ただし、社会保険・労働保険の提出代行(社会保険労務士法)、税務代理(税理士法)、登記申請(司法書士法)は独占業務にあたり、有資格者でなければ行えません(社会保険労務士・税理士・司法書士やその法人へは委託できます)。
切り出しの進め方としては、まず1週間分の業務を書き出し、それぞれの時間と頻度を記録したうえで仕分けし、手順書を作成してから、1業務ずつ外部へ渡していくという順番が現実的です。
どの業務を残すかの判断はコア業務とノンコア業務の切り分け方も参考になります。
部門別の業務一覧と5つのステップの詳細は、別記事「間接部門の業務一覧」でまとめています。
【問い3】間接部門のコストを下げる、正しい順番
間接部門のコストは、その大半が人件費です。
給与には、前述のとおり法定福利費がおおむね15%を超えて上乗せされます。
見直しの順番は「やめる→減らす→変える→渡す→最後に人員を見直す」が基本です。
人員削減を最初に行うと業務が直接部門に流れ込み、かえって全社の生産性が下がることがあります。
法令対応・支払・労務は、どの段階でも削ってはいけません。
固定費を変動費に変える発想も含め、採用費や教育費、引き継ぎコストといった見えにくいコストは、別記事「間接部門のコスト削減」で扱っています。
まとめ|間接部門は「減らす対象」ではなく「抱え方を選ぶ対象」
本記事では、間接部門について次の点を整理しました。
- 「間接部門」に会計上の定義はなく、間接費・販管費とは別の概念であること
- 「適正規模」を定めた公的な基準はなく、民間調査のベンチマークも年度・業種によって幅が大きいこと
- 課題の本質は人数の多さではなく、固定費としての抱え方にあること
間接部門を見直す際に問われているのは「何人にするか」ではなく「どう抱えるか」です。
「いらないのか」「何を外に出すか」「どう下げるか」——それぞれの問いは関連記事で解説しています。
外部化を検討する場合は、CASTER BIZ assistantの料金プランもあわせてご確認ください。